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2009年8月

2009年8月29日 (土)

スルハル金具が二つあるのは・・・

まる坊様よりコメント頂きました「スルハル金具が二つあるのは何故?」の理由ですが、一つはエアコンの冷却水出口です。そしてもう一つはビルジポンプの出口です。

まる坊様がご指摘の通り、エアコンドレン水はそんなに出るものではありません。が、、、気象条件によると凄い量が出るみたいです。家庭用除湿機などのカタログを見ると、「1日30リットルの除湿」と書いてあったり・・・。で、実際にドレン用に用意した1リットルバケツが1時間以内に満タンになる日もありました。結構出ることは出るみたいです。

ですが、ビルジポンプから見たら所詮結露水。すずめの涙の量ですよね。正直この量にビルジポンプは容量が大きすぎと感じます。だが、ビルジポンプのカタログを見ると、一番小さいものでもホースサイズが15~18mmなんですね。ハルに15mm用の穴を開けるぐらいならビルジポンプの汎用サイズの18mm用を開けてしまえ!そして万が一の多量のビルジが発生した時には本来のビルジポンプとしての役目をさせてしまえ!! そういう考えからエアコン海水ドレンと同じサイズの穴を開けることになりました。

尚、このビルジポンプの設置ですが、実はこのエアコンを搭載するに最後まで苦労した部分でした。それはまた追ってアップさせて頂きます。

あと、ビルジポンプホースの配管ですが、ボートと違いヨットはヒールしますので、舷側に出口をつけたらヒール中は水面下になります。よって逆流の可能性があります。そこでホースはガンネルよりも高く立ち上げました。更にチェックバルブを入れて一方通行にしました。

Bp4

Bp3 

これがチェックバルブです。樹脂ボールとステンスプリングにて水の通りは一通となります。お値段3000円ぐらいでした。

尚、今回ビルジポンプを選ぶ際に次のことに留意しました。

  • 動いている時でも無音に近い・・・インペラ式はNG。寝ている時に一定時間ごとに「ぐおーーーーーん」とやられた日には。。。笑。
  • フロートスイッチが簡単確実な構造になってる・・・ゴミが絡んでONになりっぱなしなどを避けたい。結構ありがちなトラブル。
  • 安く、しかも修理が簡単・・・ビルジポンプは所詮使い捨てと思っているので・・・。

最初、一番メジャーな「ルール」のポンプにしようかと思ったんですが、ウエストマリンカタログに新製品としてジョンソンの新型ポンプが載っていました。

Bp

これがそうです。オートビルジスイッチが電子式になっていてます。しかも待機時の消費電力は無視できる程度。フロートスイッチと違い可動部分が無いのでゴミなど絡む心配がなさそうです。そして、簡易式ではありますがチェックバルブも内蔵しています。そして一番の特徴としてモーター部分が工具なしで取替え可能な事です。

Bp2

これが予備のモーターカートリッジです。ポンプ羽根・モーターがアッセンブリーになっていて、壊れた時はこれをそっくり交換する形になっています。しかもこれがお安く1500円程度なんです。ポンプ自体も5~6000円ぐらいでしたでしょうか。WMナンバーで10204147です。実際に使ってみて、安いし、静かだし、動作確実だし、フロートスイッチが一体式なので取り付けが非常に楽だし・・・・コイツは売れるぞ!という予感がしました。

2009年8月28日 (金)

エアコン 海水排水用スルハル金具取り付け

置く位置が決まったので、冷却水海水の排出口を作りました。排出口の場所ですが、理想を言うと

  • 喫水線以上の場所にある。(少しでも沈没のリスクを避けるため)
  • ヒールしても水没しない。

この2点だと思いますが、ヨットの場合、それを満足させるのはスタンのガンネル付近かトランサムプレートぐらいしかありません。今回のエアコンはバウVバースの程近くに設置したため、トランサムに排水口を設けると延々ホースを引っ張らないといけません。バルクヘッドに25mm程度の穴を開けていくことに・・・。それはイヤだなぁ・・・・。

そういう訳で、エアコンの真横の壁に穴を開けました。取り付けたのはこのスルハル金具。

Suruharu5

エアコンキットにもスルハル金具は付属するのですが、プラスチック製なんですね。喫水線以上の排水口なのでプラでも問題は無いのですが・・・信用できん・・・。
そういう訳で、エアコンと一緒にブロンズ製の金具を購入しました。また、船体に取り付ける際にあて板が必要です。このあて板の理由はコーキング剤の性能をアップさせるためが主目的らしいです。補強の意味もあるんでしょうね。本当のところ、無いとダメなのかは私には判りません・・・・・。 ただ、過去に色々なフネをみた限り、大概のフネにはあて板がありました。ただしベニアや無垢の板やチークの板など素材は様々・・・。ベニアだと漏れた海水を吸ってフヤけてしまっている艇も少なからず見た事がありました。そこで、一度付けたら10年は外さない場所なので、ちょっと贅沢して無垢チーク板よりあて板を作りました。

Suruharu7_2

以前、米国専門業者の文献で、上記の様に施工する事とした内容を読んだ覚えがあります。また、この際のコーキング剤は「バスコーク」に代表されるシリコン系は余り良くないらしいです。長期の防水には性能的に辛いらしい。シーカフレックスなどの弾性ウレタン系シーラントを使うべきらしいです。

Suruharu1

こいつが弾性ウレタンコーキングのシーカフレックス。292はコーキングの他、接着剤としても使用可能。普通のバスコークなどのシリコン系より若干高いですが、それでも1000円ちょっとで買えます。(私は通販にてYBMマリンサービスコジマより購入)

Suruharu2

スルハル金具よりも直径で2mm大きなホールソーにてガァーっと穴あけ!緊張の一瞬。。。。尚、穴の反対側に「バリ」が出ることが多いです。うちのは再塗装艇なので、塗料がパリッと剥がれる恐れもあり・・・。そういう訳で、写真のように外側に1/3程度切れ込みを入れた後、キャビン側より再び開けました。

Suruharu3

で、取り付け完了。

Suruharu4

内側から見たところです。

Suruharu6

話しの前後が逆になりますが、エアコンはこんな感じで設置です。

2009年8月25日 (火)

エアコン設置場所と水周り

エアコンの設置場所と、一番気になる水周りのご紹介です。

エアコン設置場所は船によって大きく異なると思います。瑠海(ソレイユルボン26ft)ではトイレの奥にハンギングロッカーという名目の救命胴衣入れがありましたので、そこを潰してエアコンルームとしました。

Hang1

これがトイレです。26ft艇のトイレだから狭い狭い

Hang2

トイレの後ろにこのような空きスペースが・・・。ここに何とか入りそうでした。前面のチーク合板の壁はネジ止めされていました。一部ボンドではりついてましたが・・・実力行使で破壊しながら取り外しました。写真に見える長穴は塞ぐ予定でしたので、この板そのものを作りなおす予定なので遠慮なく引っぺがしました。

Hang3

で、破壊しつつ壁を取り去りました。右横のバルクヘッドに長方形の穴がありますよね。ここは元々「ウイスキーロッカー」という名目の小物入れでした。ウイスキーボトルを並べて保存できるFRP製の箱がついていましたが、質感もそんなに良いものでは無かったので撤去しました。写真は撤去後のものです。 この空いた穴を利用して、エアコンの空気取り入れ口のエアルーバーと、操作スイッチパネルを設置の予定です。また、手前の壊した壁は新たに合板を使って作り直します。その際は気密するように作りました。気密にした理由ですが、基本的にマリンエアコンは「本体=室内機」なんです。通常の家庭用エアコンと違って室内機と室外機が一体です。ですので、キャビンを冷やしたかったらキャビンの何処かにエアコン本体を置かなければなりません。今回の場所はキャビンというより、「トイレの中に設置」したようなものです。ということで、ヘッドルームとは気密隔離しないと具合が良く無いのです。今回の救命胴衣入れを「メインキャビンの属室」として作り直さないとダメということですね。

次に水周りです。水周りの全体図は次の通りです。

Water

図の「バケツと汎用オートビルジ」ですが、ルボンは床下のビルジだまりの容量が無いに等しく、結露水をそのまま垂れ流すと洪水になります。(最初焦りました。想像以上の結露水が出ます) 床下にビルジポンプを置くスペースも無く、、、また、あったとしても常に床下が濡れているのはイヤなので、バケツにオートビルジポンプをとりつけ、そこに結露水を垂らすようにしました。ビルジ溜まりが大きな艇はこんな造作は不要だと思います。

あと、海水ポンプと海水フィルターですが、ポンプが「遠心ポンプ」といって、羽根車に当たった水を押し出すような構造をしています。ポンプケースと羽根車は非接触で僅かの隙間が存在しています。その為に、動作音が非常に小さく(動いているか音では判別が出来ないほど静か)、エアコン用としては非常に優れているのですが、普通のインペラポンプと違って「自吸力」が全くありません。必ず喫水線の下で、ポンプケース内に常に海水が流入する位置に装着しないとNGです。この点で、当初水が回らないトラブルが出ました。その原因はポンプの前にあるフィルター内に存在する僅かなエアの為に水が回ってくれないことが判明しました。フィルター位置はポンプより下じゃないと海水を吸引することが出来ませんでした。この点は事前によく考えておかないと「設置したけど海水がとれない」という致命的な欠陥に悩むことになりそうです。

Pump_2

 

2009年8月24日 (月)

エンジントラブルの原因

先日の洋上でのトラブルの原因が判りました。

理由は至極単純・・・・。スイッチパネルからスターターへつながる電線の途中に「ギボシ端子」(コネクタです)で結合された部分があり、これが何らかの原因で外れてしまっていたようです。まあ、配線の断線ということです。

それにしても、この手のトラブルならテスターが一つあっただけで一発解決ですよね。この場合のトラブルシュートの定石として、スタータースイッチを押してソレノイド入り口に12Vが来るかどうかを早い段階で確認しますから・・。 

教訓として

  • 最低限の工具が積まれているか出航時に必ず確認する
  • 近場であっても積んでなければ出航しない。

を瑠海運行内規にしようと思います・・・・。反省。

2009年8月21日 (金)

出航! だが・・・・!!!!

今年の夏休みは無し!はぁぁぁぁ~~~

夏だというのに長距離出航はおろか、デイセーリングもままなりません。

そこで夏が去らぬうちに、昨日お昼~夕方にかけて若洲沖に行って来ました。

桟橋を離れる時には南の風11kt。海上だとどうかなぁ?ジェノア使えるかな??と、一応期待をこめてジェノアをセットして海に向かいました。

だが海上は平均18kt。時折20kt超えてます。揺れるデッキでジェノア片付けてレギュラージブを取り出しセッティングしました。

セールチェンジの苦労の甲斐あり、レギュラー+フルメインで快走快走!!!やっぱいいですなぁ、海は!

そうしていると、後ろからボート時代からの仲間のA艇長率いるSD号が出現。数年前に大型クルーザーからヨットに転向され、このところ夢の島の定例レースで上位入賞をちょくちょくされている方です。つい最近ハルをパステルイエローに全塗装され、セールはケブラー(?)のバリバリレースセール。遠目で見ていても「SD号!」と一発で判るオリジナリティある艇になっています。

そのSD号、一人でモタモタと上っている私の周りを帆走にて自由自在に切り返ししながら回っています。その様子はさながらフネにたわむれるイルカのようです。
その後、一気に真横を追い抜いていかれました。。。。傍目から見ていてもクルーの動きが凄い・・・。いやー、かっちょええ。。。。

それにしても、こういう一幕が「やっぱ海はいいなぁ」ってな感じで快走快走!

そんな感じでレギュラー+フルメインで時折40度のヒールをする痛快クローズホールドを楽しみ帰路に着きました。

が!!!!!!!!!!!!!!事件発生!!!!!!

エンジンが始動しない!!!!!!!!!!

キーを入れるとピーという音はするものの、スタータースイッチを入れてもウンともスンとも言わない。。。あっりゃーーーー???

場所は荒川の首都高湾岸線のすぐ手前。結構通行するフネは多いし、今日は流れも強い。そのまま放置すると危険なので取敢えずオーパイをセットし、安全な水域に向けて帆走セットをし、エンジンルームに潜りました。

が!!!こういう時に限って工具が無い!!!

丁度車にカーナビを取り付けている最中で、車に工具箱一式を置いてきてしまったのです。残っているのは

ソケットレンチのコマはあるけどハンドルがない!

とか

インチスパナはあるのにミリスパナがない!

とか

テスタリード棒があるのにテスタ本体がない!

とか、、、まぁ、屁の役に立たぬものばかり。。。。

とりあえずドライバーはあったので、スイッチパネルを分解してみる。スタータースイッチの不良を考え、根元をドライバーの柄で短絡。だが掛からぬ。

スイッチパネルの警告音は鳴っているので、問題ないとは思うのだが念のためにエンジン本体についているヒューズを確認。。。切れていなくOK。

次にスターター内部の錆による電磁スイッチ動作不良を考え、スターターケースをドライバーの柄でひっぱたきながらスタータースイッチをオン。だが掛からぬ。

あとはスターターのソレノイドリレーかと思い、スターター大端子を短絡させてみようと思うのだが、ペンチ類などもなく、ケーブル等も無い。工具ないとどうにもならん!ここでお手上げ。

ってことで漂流決定!快走快走・・・

一度デッキに出て「さてどうするか」。。。しばし考えてみました。

セーリングは出来るのだから、このままマリーナまで帰っちゃおうか・・・?しかし、途中で「新砂水門」なる非常に狭い水路&水門があり、ここは今の時間は結構混んでいる筈・・・。場合によっては土砂運搬船が水路ギリギリをかすめて通る可能性もある・・・基本的に帆走禁止の場所だし・・・。まあ、とどのつまり怖いなと。

BAN呼ぼうか???だが、陸までは目と鼻の先だしなぁ・・・

結局マリーナに電話掛けて「すんません・・・引っ張ってください・・・・」とお願いしました。

そしてすぐに救助艇が駆けつけてくれて引っ張ってくださいました。感謝感謝。

引っ張られるとセールダウンしているのに無音でスピードが出る。おお快走快走!

マリーナにつくと、自分の桟橋にスタッフが何人もお出迎え。感謝感謝感謝。

それにしても、「ちょっと出るんだけだから○○はいいや」という甘えは許されないなと、改めて身をもって基本の大切さを感じた日になりました。最低限の工具積んでおかないと命に関わりますな・・・・。

2009年8月18日 (火)

エアコン空輸

ウエストマリンからエアコンを輸入しました。

日本円にして送料こみで凡そ19万円弱でした。

AIRのクールメイト5000BTU(冷房専用)というモデルです。

大きさは写真の通りで、思ったよりも軽く、一人で十分持ち運びが出来ました。もっとクソ重いものを想像していたので意外や意外でした。

Ac

中身は写真で見るよりもかなり小さい印象です。正直、こんなんでキャビン冷やせるの???と思うほど小さいです。家庭用の電子炊飯器を2個ならべたぐらい??そんな感じを受けました。

Ac2

水冷で一体式になっています。基本的にこれに冷却水ホースつなげて、電源つなげれば動きます。マリンエアコンは高い!というイメージがあるのですが(事実その通りなのだが)、このサイズに纏めた完成度を考えると致し方ないかな?と感じました。19万弱ならば家庭用のちょっと高級機と大差ない価格ですからね。(これが国内価格の40万、50万と言われるとやはり考えるものありますけど)

Ac3

Ac4

付属品として海水ポンプやフィルターをはじめ、ほぼ全てがついてきます。基本的にはこれを買えば別部材は不要と思ってよい程にしっかりとしたキットになっていました。尚、写真のブロンズスルハルとチークのあて板は個人的に用意したものです。プラスルハルはヨットにはちょっと怖かったので・・・・。

ハイブリッドジェネその4

その3で実際に使用した製品(と、使用予定の製品)をアップ致しました。今度はその各論です。

電池・・・・

 普通のバッテリ(車のバッテリ)を使うのが一番安上がりなのですが、次の欠点があります。

  1.   空になるまで使うと寿命が著しく短くなる
  2.   傾けると硫酸がこぼれる。(ヒールしてこぼれて、キールのボルトに触れると・・)

ですが、兎に角安いですし、その気になれば車屋に行って劣化したバッテリを貰ってきて、本当にダメになるまで使い倒せば、交換の手間があれど「タダ」で使用可能です。

ですが、、、正直それも面倒だし、とかくバッテリトラブルは重大事故につながることが多いし、充電にしても計画的な管理が難しくなります。そこで普通は「ディープサイクルバッテリ」を使います。船で一番有名なのは「ボイジャー M27F」などだと思います。釣り用のエレキのバッテリとして有名ですよね。 これは量販店に行くと比較的安価ですし、性能もそこそこ良いです。しかし、大電流(例えばヘアドライアを使うと、100A近く流れる!)にての使用だと、バッテリに負担がかかります。寿命に影響を及ぼすことは無いのですが、電圧が少し下がってしまうのです。インバーターへの入力電圧は出来る限り12v以上をキープしたいのですが、現実には11.5vぐらいに下がってしまうのですね。これを回避するためには、ボイジャーバッテリを4~5個並列に繋げるとある程度回避できます。しかし、放電末端(全容量の7割以上使ってしまう頃)には電圧が下がってきて、まだバッテリに電力が残っているのにそれ以上使えないという事が起こります。 

これらを考えると、現状で一番の高性能バッテリーはOPTIMAだと思います。今回使用したY4.2Lバッテリはリザーブキャパシティ(25A流して10.5vに落ち込むまで何分かかるかという数値)120という性能を持っています。逆にいうと25A定常に電流を流すことは保証されているようなものです。これは定常に流すにはかなりの大電流です。 瑠海では4個並列に使用しましたので、25*4で100Aまではバッテリの性能保証内での使用と考えられるのではないか?と考えました。 ちなみに100A流れれば、ほぼ全ての家庭用コンセントで使う100V機器は賄えると思います。 また、こういう電気食いの100v機器(例えばホットプレートとか電気ストーブとか)を使った時でもリザーブキャパシティ120分ですので2時間続けて使用可能です。エアコンの場合は実測50A程度ですので4時間は使える計算です。

ただしOTIMAは高い。。。もっと安くなってくれないかなぁ・・・。導入するのにかなりの覚悟が要りました。また「OPTIMAじゃなくても、ボイジャー2個ぐらいで使用時間は短くとも使えるんじゃないか?」とかも何度も思いました。

そこで実験しました。友人からOPTIMAイエロートップ4.2を借りることが出来、それと共に自動車に搭載されたバッテリ(エルグランド3.3LV6に搭載されたバッテリ)と、ボイジャーのM27MFを使ってインバーターにて塗装用のエアーコンプレッサを起動させる実験をしました。

1)自動車に搭載されたバッテリの場合・・・

  インバーターのスイッチを入れます。その瞬間の電流は230Aほど流れました。その後90-100Aが流れ続けます。1分ほどするとコンプレッサに空気がたまり自動停止をしますので、一度空気をゆっくりと抜いていきます。すると再度自動運転が始まるのですが、この時に「ミーーー」と妙な音がした後にコンプレッサが再起動します。これを2度ほど繰り返すと、「ミーーー」の音の後にインバーターの保護回路が働いてシャットダウンしてしまいました。 時間にして2分程度しか使用出来ませんでした。あらら、、、ちょっとがっかり。

2)ボイジャーM27MF

  ちょっと期待したんですが・・・パンチ力はやはり無いですね。1)の例と全く同じでした。そしてシャットダウンされるまでの時間はもっと短かったです。

3)ボイジャーと自動車バッテリを並列。更に車のエンジンを掛けてオルタネータから充電しながらのテスト。

  今度は大丈夫だろう!と思ったのですが、1)の例と大差なし。これも意外な結果でした。尚、この実験は非常に実用に即していると思います。普通のヨットのエンジンスタート用バッテリ(=車のバッテリ)と、ハウスバッテリ(=ボイジャー)を切り替えスイッチによって並列にし、ディーゼル1GMなどをアイドリングにしたのと同等だと思います。つまり、ヨットの通常のバッテリシステムで大容量インバーターを使うと、数分でシステムダウンを起こす可能性があるということです。

4)OPTIMAイエロートップ

  正直びっくりしました。軽々動きます。電圧降下も非常に少なく、何度もテストするのが面倒になるほど長時間運転できます。 1時間2時間とテストを続けたわけではありませんが、明らかに性能が高いというのを実感しました。

以上のテスト結果から悩みました。ボイジャーでも4-5個用意すればいけちゃんじゃないだろうか??そういう葛藤が心の中に。。。

一番の問題は、前例が無いのです。いわゆる自分が人柱にならないと本当のことが判んないのです。ですので、ボイジャーを4個導入し、艤装を済ませて「やっぱダメでした」では余りに痛手が大きすぎます。ということで事前テストでほぼ問題ないと感じたOPTMAの選択となりました。そして、エアコンを3時間程度バッテリで稼動できることと、1000wクラスの100V機器を安定して動かす為に、バッテリは4個使うことにしました。(最大使用目標電流100A÷リザーブキャパシティ設定電流25A=4個)

結果として、非常に安定してエアコンが動いております。

ハイブリッドジェネその3

具体的に、ハイブリッドジェネ的使用をするために、瑠海に装着した部材は次の通りです。各部材の選択理由とかの各論はまた別途。。。

電池・・・・

 ディープサイクルバッテリ 「OPTIMA イエロートップ」 これを4個並列に。

  42l

インバーター・・・

 XANTREX社 Prowatt3000(の一つ前の型の品の中古品)

 新品入手先 ウエストマリン http://www.westmarine.com/webapp/wcs/stores/servlet/producte/10001/-1/10001/70890/377%20710%201651/0/Inverters/Primary%20Search/mode%20matchallpartial/0/0?N=377%20710%201651&Ne=0&Ntt=Inverters&Ntx=mode%20matchallpartial&page=CategoryDisplayLevel1&isLTokenURL=true&storeNum=5002&subdeptNum=9&classNum=678

  3371945

充電器・・・・

 PROFESSIONAL MARINER   ProNautic C3 Series  60Aモデル

 入手先 ウエストマリン 参考URL http://www.westmarine.com/webapp/wcs/stores/servlet/ProductDisplay?resultCt=1&jspStoreDir=wm51&catalogId=10001&productId=347539&keyword=9452277&y=14&x=24&storeId=10001&ddkey=SiteSearch

  9452269

 

発電機・・・・

 予定としてホンダポータルブル発電機 Eu9I

 入手先 国内のホンダ販売店やヤフオク 参考URL http://www.honda.co.jp/generator/products/eu9i.html

Big_eu9i

太陽電池パネル・・・・

 これも現在「予定」としてですが・・・以前25MLで使っていたシャープのパネルは作りも良くて充電もちゃんと出来ていましたので、それを使う予定です。

 入手先 ノースパワー社 参考URL http://item.rakuten.co.jp/northpower/ne80/

Ne80l5h

以上です。この中での充電器ですが、XANTREX社のTrueCHARGE40という製品を以前から愛用していました。今回、60Aモデルを欲を出して購入したのですが、40Aで良いならばTrueCHAREGE40もかなり使い勝手が良くて高性能でした。友人の艇でも数艇これを使っていますが、どこも10年近く壊れずに安定動作しております。 (ウエストマリンのパーツナンバーで9369539です。)

2009年8月17日 (月)

ハイブリッドジェネその2

前回アップしましたハイブリッドジェネですが、同時に次のように考えました。

自分のスタイルですと、週末にフネに行きます。その際、エアコンなどの電力を最大で3時間程度利用する(ことがある)のを最大値とし、出来る限り発電機を使用しないで電力を得る方法を考えました。

そこで太陽電池パネルです。過去、ヤマハマイレディ25のスターンに70w弱の太陽電池パネルを設置していた経験があります。この頃は体力が有り余っていたので、2~3日に1度、仕事が終わったら夜間3時間ほどフネに遊びに行っていました。その際、ずっとキャビン照明などを点けていましたが、一度もバッテリの充電をすることなく、ほぼ満充電の状態を保てました。

このパネルは一枚の大きさが30センチ*110センチほどありました。重量は多分5kg前後だったと思います。これをある程度しっかりしたレーダーアーチを作れば、その上に3枚並べることまでは26ft艇のルボンでも可能そうです。

そうすると発電力210wを発揮できます。なおこの「210w」の意味合いは「晴れの日の正午に太陽に向けて垂直になるようにパネルを向けた時に1時間単位に発生する発電量」を意味します。実際は太陽の位置は刻々と変わり、パネルに対して斜めに日光が降り注ぐ形になるので発電量は激減します。また曇りの日は殆ど発電望めません。 そういう訳で、事実上は一日の発電量は平均して1-2時間程度・・・といわれています。ですので少なく見積もって一日で210w程度の発電となります。

210wというと、航海灯やキャビンライトなどの10w電球を連続21時間つけることが出来ますので、想像以上の電力だと思います。晴れの日は、航行中にGPSをつけっぱなしにしても電力が余るほどですね。

週1日、日曜日に乗船することを考えると、1週間の間に210w*7日=1470w/1週間。の電力を得ることが出来ます。つまり、1470w分は日曜日に使いきっても、次の日曜日にはこの分は補充されていることになります。

1470wがどの程度の電力かといいますと、私の搭載したマリンエアコンが平均で620wぐらいです。(12vでの使用においての実測値です) 1470/620=約2時間半ほど稼動できる量になります。実際には1470wというのは夏も冬も雨の日も晴れの日も平均した量です。エアコンが欲しい季節は強烈な太陽光線がほぼ毎日降り注ぐ時期なので、これの倍ぐらいは見込める可能性はあると思います。

ここで纏めますと、次の通りです。

 200w級の太陽電池パネルを設置する。

 1週間で凡そエアコンが2時間半程度稼動できる電力を確保できる。

 週末に2時間半エアコンを使っても、次の週にはその分は勝手に充電されている。

 つまり、この範囲内なら発電機は不要である

ということです。

今のところ、太陽電池パネルまでは導入していませんが、多分大きな計算はずれは無いと思っております。実際のところ、エアコンを延々使うほどキャビンにこもる事は稀ですので、自然パワーのみで100vを永遠に得ることが出来ると思っても良いのではないでしょうか? そして、もし長時間エアコンが欲しいような場合は、小型発電機(ホンダの最新の超低騒音ポータブル発電機など)を桟橋・岸壁・あるいはスターンに置いて使用すればガソリンが尽きるまで駆動できます。従来このサイズの発電機ではエアコンなどは絶対駆動不可能でしたが、ハイブリッド方式なら可能かと考えています。

数年内に人柱覚悟で構築してみたい・・とは思っております。(余り期待しないで・・・笑)

2009年8月11日 (火)

ハイブリッドジェネレーターの構想

2009年9月号のヨット総合雑誌「KAZI」に4ページ特集で我が艇が掲載されました。(よろしければ是非一冊お買い求めを。KAZI舵カジKAZI誌で御座います~。宣伝。笑)

姉妹紙、BOAT CLUB誌にて10年間連載をされている「小川淳」さんのご協力の下、今回あーでもない、こーでもないと議論を重ねながら「バッテリ駆動のマリンエアコン」という題材で、26ftのヨットにエアコンを乗っけちゃおう!という企画を行うことになりました。

しかし当初、この企画はエアコンを積みたいのが第一目標ではありませんでした。では何の為に・・・???

それは、私はフネを始めてから所謂「マリーナ」に保管していたことが殆どありませんでした。10年以上前の大らかな時代は一時違法係留を決め込んでいたことも。(正確に言うと、桟橋管理者に係留代金払っていたので、それが違法係留とは知らなかった・・)その当時に一番困ったのが「真水」。次に「電気」でした。真水に関しては雨水を上手く利用したり、川の水をくみ上げて洗浄用水としたりしていました。電気は小型の発電機を利用したりしてました。

その中の電気ですが、、、ヨットを始めるようになって、発電機の音が我慢ならなくなってきました。あんな音を聴くぐらいなら電気は無くても良い。そう思うようになってきました。

だが、私のフネ生活の中で大きくウエイトを占める部分として「ヨットはでっかいプラモデル」という点が挙げられます。いわゆるイジリ好き、、、イジリーなんですね。すると、どうしても電動工具が使いたくなりますので、この点が大きな問題でした。

当初、ソレイユルボンを貰ってきた時は電気の無いマリーナに保管する予定でした。そこで、DIY用の電気を何とか用意したく色々考えてきました。最初は桟橋に発電機を設置してしまおうかとかも考えましたが盗難や潮カブリが心配。かといって26ftのフネに発電機を設置するのはスペース的な問題と騒音問題で悩んでおりました。DIY用としてはどうしても3000wクラスの発電機が必要だったのです。3000wクラスだと「うるさい・重い・でかい」と三拍子揃っておりますので簡単にはいきません・・・・。

そこで考えたのが「ハイブリッドジェネレーター構想」です。

Hatuden1

極普通にフネで100vを用意しようとすると、上記の図の通りになります。船体塗装の為のコンプレッサーや、サンダー・電気ドリルなどをどうしても使いたかったのですが、これらは起動時に定格の3~10倍の電力を消費します。3~10倍というと余りにも幅がありすぎますので、手持ちの電動工具をデジタル電流計で測定したところ、起動時に3500Wは最低必要なことが判りました。3500wを許容する発電機というと、かなりの大物になりますので、とても26ft艇に常設は無理です。

そこで、無い頭を絞って色々考えてみて、辿り着いたのがハイブリッドジェネ構想でした。

Hatuden3

上が略図になります。

まず、100vを得る為に、インバーターを使います。インバーターとは12Vを100vに変換する装置です。こいつはガソリンなどは一切必要なく、配線さえすれば無音で100vを作り出してくれますのでヨットにはピッタリだと思います。 

インバーターの電源には12Vのバッテリを使用します。

基本的には、この2つがあれば、バッテリが空になるまでは100v機器は使用できます。

さて、何故にこのシステムが必要に迫られたか???それは、前述の通り、小型発電機では瞬間的な大出力に対応できないからなのです。

Hatuden2

上図の通り、コンプレッサなどを備える機器を使うと、スタートの時に3-10倍の電力が必要とされます。これに対応するには3000wクラスの発電機が必要と既に御説明したとおり。だが26ftの艇にはそんなスペースが無い。ではどうするか???

そこで考えたのが大容量インバーターでした。私が使っているのは米国通販で5万円程度で買える一番の安物ですが、連続2500w、5分連続3000w、瞬間ピーク4500wを保証してくれています。実際にはヤフオク使って25000円で購入したものですが、それでもこれだけの性能を保証してくれています。ですので、バッテリの容量さえあれば、工具やエアコンのスイッチを入れた瞬間に流れる突入電流の問題は回避できることになります。

しかし、バッテリは急速に無くなっていきます。そこで、充電器で充電しながら使うことを考えました。この場合の充電器は100v電源を使用し、12vバッテリを充電するものです。充電器は突入電流などの問題が無い為に、900w程度の小型発電機でも40A~60A程度の超大型充電器が使用することが出来ます。 

但し、欠点があります。例えば50A充電器で充電した場合・・・・。大よそですが、100v側では500wの連続使用に限られてしまいます。(この辺りの計算は次回以降に詳細にアップします)。500w以下ならば発電機のガソリンが尽きるまでは延々使用できますが、500wを上回ると少しづつバッテリ容量が減っていき何時かはインバータが止まってしまいます。

ですが、長時間大電流を消費するフネ用の100v機器ってあるでしょうか??私はエアコン以外には存在しないと思います。照明器具などはランタンなどでもカバー出来ますし、テレビやパソコンといったものならば、バッテリだけで長時間駆動できます。実際に長時間大電流を食うものはエアコン程度だと思います。そして、そのエアコンは、スイッチを入れた瞬間は2500w程度消費しますが、その後は意外に低燃費でして、実測500wを下回っています。

以上のことにより、このハイブリッドジェネを使うと次のことが可能です。

 900w程度の小型ハンディ発電機で長時間エアコンが使える

 電動工具や電子レンジなどの短時間利用なら発電機は不要である

 クルーズ先係留地で無音にて100vが使用できる(エアコンレベルでMAX3時間程度)

 大型のソーラーパネルを組み合わせると、発電機なしで週末2時間程度エアコンを使用可能。

と、こんな感じです。まさにヨットにはうってつけではないでしょうか??

そして、100vが無い係留地でも、今後100v問題に悩まされることがありません!
YBMのBバースとかには最高なのではないでしょうか。
(自宅近辺の正規係留場所で最安値はYBMのBなので、実はこれに合わせて色々考えました)

但し、このシステムを構築するに、機器選択に色々ポイントがありました。その辺を今後アップしていきたいと思います。

ところで蛇足。

エアコンエアコンと言っていますが・・・・正直なところ、基本的にはエアコンは要らないと思っています。自然の中に遊びに行くんですからね。特に航行中は全く不要だと思ってます。キャビンに居ないですからね。(マグロになるわい。) だが、午後2時前後はキャビンの中は50度近くになります。この時間帯にフネで昼寝しようと思うと必要かな?と思う程度です。

でも実際のところはエアコンは欲しい。(矛盾してますねー)。 そうですねぇ・・例えば、フネメーカーが新艇建造時にエアコン標準装備として売り出し、不要ならばレスオプションとして20万円値引きします。という話しだったら・・・・たぶん100%に近い人が装着するのではないかと。 DIYで色々やってみると、陸電前提でのエアコン装着だけならば20万円程度で装着できました。 

蛇足2

小川淳さんの名誉の為にも敢て記載致しますが、これと同じシステムがこの夏にヤマハ・日産ボートから発売発表されました。 実は、今回の原案がある程度出来上がったときにヤマハから発表があり、、、「あれぇ、、ソックリじゃん。なんか真似しちゃったような記事になっちゃうなぁ」と心配したりしました。KAZI9月号に載った記事ネタスタート時点ではまだ発表がなく、あくまでオリジナルのアイディアでした。(とは言っても、このシステムは多分誰もが一度は考えるであろうシステムだとは思いますが・・・。)一応念の為に記載しました。

2015/8追記

ハイブリジェネの最終テストしました

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