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2010年2月

2010年2月19日 (金)

Newセイル

交換を決意したヨレヨレセイル。色々とあーでもない、こうでもない、、、と悩みながら時間を掛け・・・ようやく納品されました。

そして今回、シングルハンド仕様とするために、一つ贅沢してみました。。。

今まで乗っていた艇ではセイルアップの時、必ずと言ってよいほどスライダーが引っかかりました。そしてこの艇もご多分に漏れず同じような状態・・・。今回Newセイルを作るにあたり、この点を解消する為に悩みに悩んだ挙句・・・「ストロングトラック」というものを一緒に発注しました。

ストロングトラックは名前は大分知れ渡っていると思うのですが、個人的には実物を見たことなく、その上、詳細なデータや使用感を書いた情報がネット上でも得られませんでした。

セイル屋さんに聞いたところ、「従来あるベアリング入りバットカーよりもトラブルが少なく、クルージング仕様なら十二分な性能を示すのでストロングトラックを強くお勧めします」とのことで決定。。。

何にしてもネット上でストロングトラックの詳細がさっぱり判らなかった事もあり、、、装着を順を追ってアップしようと思いました。

尚、ストリングトラックとはマストグルーブに樹脂製の専用トラックを挿入し、その専用トラックに専用スライダーを入れるものです。この専用トラックはスペクトラ樹脂らしく、滑り抜群で超高耐久性があり、一切のノーメンテナンスで良いとのこと。専用スライダーもステンレス製の一体型で何処にも壊れるような場所が無くメンテナンスフリーに近いとの事です。

St1

こんな箱に入って送られてきました。片手で持てるほと軽いものでした。

St2

中身を開けてみるとトラックと共に説明書とトラックテストピースが・・・。

St3

これはテストピースを裏から見たものです。こんな感じのデコボコになっていまして、デコの部分をマストのグルーブに挿入します。この形状とマストの全長などを事前に計測し、専用品として工場で作ってもらったうえで送られてきます。製品の価格にそれらの手間賃も含まれていました。

St4

ホンモノのトラックはこんな感じ。非常にすべりの良い樹脂で作られているようです。

St5

マスト挿入にあたり「巻き癖を足で踏んで真っ直ぐにしてください」と説明書に書いてありました。そのフミフミしている様子です。

St6そしてグルーブに突っ込んでいきます。が、、、最初は楽に入るんですが、すぐに人力では無理な感じになりました。

St7

その為にこんな感じでハリヤードにてウインチ使って引っ張り上げます。ウインチ使えば楽勝でした。尚、ハリヤードが上がりっぱなしにならないように、トラックに一つだけスライダーを入れ、そのスライダーにハリヤードと雑ロープを取り付けるようにと説明書に指示がありました。トラックの上部はスライダーが抜けないようにピンが打たれています。

St8

マストトップまで引き上げると・・・最後の部分が入れられません。どうするのかというと、この部分だけはネジで止めるようになっています。また、トラック裏のデコ形状のひっかかり部分は工場で切り取られ済みになっていました。

St9_2

ネジはこんな感じのステン板をグルーブ内に差し込みます。ステン板にはメスネジ穴が切られています。

St10

必要個数分をこのように挿入し・・・

St11

ネジ穴に長いネジを通します。そしてその下の穴に、普通のネジをドライバーで回して止めてます。下が止まったら上の長いネジを取り外し、再び普通のネジをねじ込みます。よく考えてありました。。。

St12_2

そしてこれが一番下の部分です。セイルスライダーを入れる為にここだけが広くなっています。スライダーを挿入したらステンレスのカバーを被せてスライダーが飛び出さないようになっています。

St13

そのカバーは横からピンを差込み外れないようになっています。実に単純明快な作りです。

St14

そして完成しました。桟橋でちょっとセイルを上げてみたところ、驚くほど軽く上がります。下げるのにはハリヤードを離せば勝手に落下してくるほどに軽いです。確かに故障するような場所も無くクルージング用には十二分だと感じました。

St15

同時にスタックパックも注文しました。これは前にソレイユルボンに乗っていた時に作ったものと同じものです。非常に作りがよく、かつ安価なので、また発注しました。

今回のセイル・トラック・スタックパックは全てラムダセイルさんに注文しました。何時もながらに満足度高い仕事してくださいます。

今日はここで時間切れ。近いうちにセーリングしてみたいです。

ところで初めてNewセイルを作りましたが・・・新品のセイルって硬いんですねぇ。今までのセイルがTシャツだとすると、Gパンぐらいの硬さがあります。。。今までのは余りにもヨレヨレ過ぎるのが改めて実感しました。。。。   

          

2010年2月11日 (木)

ヨットの舵を全分解。

CC30のステアリングがちょっと重めです。って、購入時から判っていたのですが、何となく気持ち悪いので全分解してみました。

前オーナーさんがいうに、この2年の間に舵の主要部分は全部補修してあるとのこと。重いのは水密を保つグランドパッキンが新しく、締めすぎなんだと思う・・・とのこと。

評判の高い業者が修理した事実もあって、このあたりは安心はして購入したんですが・・・中身を自分で見てみないと気がすまないタチ・・・・(*^^)

そこで、分解してみました。

P1000459_045

これが全貌です。扇形の部分はコードラントといって、ラット(ハンドル)と舵を繋ぐ金属ワイヤーを掛ける部分です。まずこいつをはずしてみようと思ったのですが・・・

P1000457_043 まず最初の難関が舵脱落防止のピンでした。こいつが抜けない・・・・。

ぐりぐりとパイプレンチで緩めたのですがなかなか緩んでくれません。

そこで、ヒートガン(工事用の温風ドライヤー)で温め、金属を膨張させ、そのうえでパイプレンチでぐりぐりやったら・・・やっと抜けました。

P1000445_031 コードラントを外したら、グランドパッキンが入っているスタフィングボックスとご対面となりました。しかし・・・ここで不吉な予感。スタフィングボックスがアルミ製なのです。対してシャフトはステンレス製。えーーー、海水にまみれ、ステンレスと同居している部分がアルミ製????電蝕しちゃわないのだろうか???防蝕亜鉛に繋ぐボンディングワイヤーもついていなし・・・・。舵が重いのはアルミ金物が電蝕してシャフトと張り付いているのでは???という最悪な状況が頭をよぎりました。かなり冷や汗・・・

そして、グランドパッキンとご対面。こいつを抜きましたところ・・・

P1000443_029

P1000442_028

あらーーーー、とっても綺麗。電蝕は一切なし。

だが、さらに恐ろしい事実が・・・

グランドパッキンを抜いたのに舵が回らない!!!!

え、、、だから何だですって???いやいやいや、ゆゆしき問題ですよ。グランドパッキン抜いても重いってことは、アルミ金物の内部とステンシャフトが張り付いている以外は考えられない・・・・たらぁ~~~~~~~。。。。。ぴーーーんち。。。

というわけで、スタフィングボックスを分解に入りました。だが、こいつが抜けない!!!さらには船体と接続されているゴムチューブも完璧に固定されちゃっていて抜けません。。。。

こういうときにはどうしたらいいか・・・ホースを抜くのに専門ツールがあるのですね~~。ピックツールとかホースリムーバーとか呼ばれているツールです。友人が使っていて、それはそれは便利であると聞いています。。。が、、普通の工具店やDIYショップでは売っていないのです。前々から欲しかったので、、、、通販で購入することに・・・。それが

P1000437_023

こいつです!

って、、、もっと凄いツールをご想像されましたでしょうか?

ええ、先端が曲がった千枚通しですよ、簡単にいえば。。。ええ。

で、この先っちょをホースの隙間に突っ込むのです

P1000438_024

こーんな感じにうりゃぁ!と。

しかしまあ、冗談抜きでこのツールには感動しました。今までホース類を外すのは汗水垂らしていたのです。だが、これを突っ込み、固着面をぐるりと一周隙間を作るように回します。(決してこのカギで引っ張りあげるのでは無いです)すると、固着がムニュムニューーーという感触と共にはがれるのが実感できました。たったこれだけのことで剥離完了です。

いやーーーー、凄いぞこのツール。激安モノ選らんだので、2本で

980円

だ!凄いコストパフォーマンスです。

これだけ使えると、先っちょが曲がった千枚通しというイメージから

「うりゃ!つっつくぞ!ワレ!」

と、物凄いオーラを放つデキル奴に見えるではありませんか。(え、見せません??)

さて、、、続きます。これを剥がしてもスタフィングボックスが抜けません。シャフトと固着しちゃっています。ほんまもんで冷や汗ダラダラです・・・・。

ここまでやって抜けません。じゃ洒落になりませんから、抜くしかありません。

こういうときは素直に専門道具を使わないとダメっすね・・・・

P1000441_027

今度はハサミ虫でございます。ギアプーラーという引っこ抜く専門用具です。滅多に登場しないバッターがホームラン打ったような喜びを感じます。(工具が好きで・・・滅多に使うことは無いのですが・・・何故か持っているのです。。。。) 

で、ようやく抜けました。中身をみると・・・・

P1000418_004

ありゃ、、、錆びなど一切無い。電蝕が原因じゃなかった!!!(ほっとしました)

原因は、中の樹脂ベアリングが何かの原因で膨張し、シャフトとの隙間がなくなってしまったことでした。グランドパッキンに含まれる油が落ちてベタベタになっていたので、油を吸って膨らんだのでしょうか。それとも樹脂がナイロンか何かで含水しちゃったんでしょうか?

なんにしてもこれの交換が必要になりました・・・・。が、、、交換するのは勿体ない。(金銭的に。。)どうせ交換するならば、中を削ってみるほうが・・・・。

旋盤のある工場へ持ち込んで中ぐり(中を削ること)をしてもらおうかと思ったのですが、まずはマリーナの修理業者マリンエ●セルさんに削れるか聞いてみました。 そしたら

「今まで同じトラブルを他の艇でも何度も経験しましたよ。削れますよ。」とのこと。

ということで預けて帰ることにしました・・・。

<数週間後>>>>

削ってもらって、まずは嵌めてみましたら・・・ピッタンコ。おお、いいじゃな~~い。

んで、この逆を辿って組み上げて終了。

その途中の作業でひとつ業者さんに教えてもらったこと・・・・。

異種金属だけでなく、ステンのターンバックルなど、焼きつきや塩カミが予想される部分には「TEF-GEL」という薬品が凄く良いとのこと。

P1000447_033

YBMのコジマさんで売ってるよ・・・とのことで買ってきました。2000円チョイでしたでしょうか?こいつはテフロンをジェル化したもので、ねじに塗ると隙間を埋めてくれるとのこと。だがネジロック剤やシリコンシーラントと違い固形化はせず、永久にジェル状を保つらしいです。塗った後にネジの頭を塗装することも可能らしいです。なかなか良さげです。

P1000448_034

こんな感じの白っぽいドロッとしたジェルです。一本あると個人ユースなら相当長い年月使えそうです。

そんな感じで組み立ても終わり・・・ラットを回してみると・・・ワンダフル!!指一本で回せるようになりました。良かった良かった。

 

2010年2月 3日 (水)

レーダー

マリンレーダー・・・・。ヨットでは余り流行っていません。

ですが、個人的には凄く興味あります。過去、ボートの時には装備をしていましたが本当に便利であったことと、単にこういう機械物が好きなキカイダーであること所以なんですが・・。

そのマリンレーダー、今はメチャクチャ進歩しています。

http://sakuta.qee.jp/koden/cat3/

こちらのURL、マリンレーダーに「他船の自動追跡装置」をつけたときの動画が載っていました。これ、凄すぎです。

この件、友人のO氏(マリン雑誌のデンキモノ・キカイモノの連載著者。めちゃくちゃマニアック)と話をしていたところ、なんとO氏も装着されているという・・・。近いうちに見せてもらいに行こうと思っていますが・・・・O氏がいうには

「ほとんど航空管制室のディスプレイとか、イージス艦のCICのような感じだよ」

とのこと。

Mdc900_img05_b

メーカーHPから借用。

この画像に丸や四角に囲まれた物標がありますよね。これが自動追尾した標識です。そしてそこから白い直線が延びてます。これはその物標が進んでいる針路と速度ベクトルです。これらを10件まで追尾できる機能がついているんです。そしてその物標の詳細データは画面一番下に出ています。 殆どイージス艦の世界じゃないですか・・・凄すぎます。

ただ、これを実現するためにはちょっとハードルが高いみたいです。3つほどハードルをクリアしないとダメです。

一つ目に対応するレーダーが必要。これについては今のモデルならほぼ全て対応しています。

二つ目にこの機能はオプション扱いになっていて、専用ボードが必要。KODENですと7万円ほどするらしいです。

三つ目に自分の船の方位と位置が高速かつ正確に判っていないと、他の船の速度を把握することができませんので、その情報を外部入力しないとダメとのこと。具体的には位置はGPS信号、方位は「ジャイロコンパス・サテライトコンパス」が必要です。GPSは説明不要だと思います。問題はジャイロコンパス。。。こんなものはプレジャーボートに装着できる訳はありません。そこで次点としてサテライトコンパスが挙げられます。サテライトコンパスとはGPSのアンテナを2~3個距離を離して設置します。各々の位置が判れば計算によって方位が割り出せます。それによって、高速・超精密な方位データが得られる仕組み。だけどこれが高いんです・・・FURUNOの製品で実売23万円ほどします・・・。 ここまでコストを掛けられない・・・というときは、もう少し精度が劣るものの、FURUNOから「ハイブリッドヘディングセンサー」というのが発売されています。実用上、これでも自動認識装置は運用できるらしく、お値段は実売13万円ほど。ううむ、高い。。。

でも、、、、その2+その3で20万円ほど。僅か(とは言い難いが)20万円でレーダーをイージス艦並みの装備に出来るのですヨ。安くない???(高い・・???)個人的にはキカイダーの血が騒ぎます。マジでホチイ・・・。

実際、シングルハンドでヨット乗っていて、ジブの影に漁船が潜んでいたことが珍しくありません。乗っている海域が江戸川・荒川の河口沖というのもありますが、多くの高速船舶が次々とやってきます。シングルハンドだからワッチが十分に出来ない・・というのは詭弁ですから何とかせにゃなりませんが・・・現実的に舵を取ってメインシートを操りながらどうやってジブの向こう側をワッチすればいいのか、、、何時も悩みます。対応策は

  • フットを切り詰めたハイカットジブを使用する
  • 面倒だけど数分に一度、操船を放棄してでもジブの裏側を見に行く
  • シングルハンドでは出ない
  • レーダーを使う

これぐらいしか対策無いような気がします。割り切ってハイカットジブを使うか、面倒を取るか、それと引き換えにレーダー入れるか・・というところでしょうか・・・。何か良い方法ないですかねぇ・・・。

話は変わりますが、ヨットに乗っている方は「漁船やモーターボートは広い海なのにわざわざヨットの目の前やすぐ後ろを通過していきやがる」と思いませんか???これ、私も感じることなのですが・・・仕方ない事だと諦めています。というのは、私もボート乗っていた時代は同じことやっていました。何故こうなっちゃうのかといいますと・・・広い海で真っ直ぐにヘルム取るには、コンパスを見るよりも陸地や浮標に狙いを定めて舵を切った方が楽ですよね。つまりそういう事なんですね・・・。ヨットって格好の浮標なんですよ。目立つし遅いし。笑。 ほぼ本能的に標識代わりにしちゃうんですよね・・・。この本能的というのが曲者で、数マイル先からそれを標識にしても何の罪の意識も無いわけですよ。陸上で考えれば4~5km先の大型マンションを見つめていて「個人宅をじっと見つめるのは悪いなぁ」と思わないでしょう。

だがヨットにとってみると「次々と漁船やモーターボートが遠くから一直線に向かってくる。嫌がらせか?」と感じてしまうわけ。でもモーターボートはそんなこと微塵も考えていない。そしてすぐ近場を通過する。ヨットとしては「ふざけんな。もっと遠く通れ!」と感じる。

しかし、ボートにとっては数マイルも先から無意識に見つめていたので何時の間にか近くにヨットが居た。という感覚なのですな。そして近づいた時には「なるべく引き波で迷惑にならないように最大速度で通過しよう」と考える方のほうが多い。ゆっくり走るよりも高速プレーニング(滑走)する方が引き波は小さいのです。そして「広い海だが、こんなに配慮している俺はなんて偉いんだろう」と思っているかもしれません。

だがヨットにとってみると、とんでもない話で・・・・。500m離れていても「うるさい。嫌な波を立てる」と感じるんですよねぇ。 

立場の違いでボタンの掛け違いが生まれているなぁと感じます。

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