2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 夏だ。シャワーが気持ち良い! | トップページ | 本日の航海日誌 梅雨の合間の出航 »

2010年6月15日 (火)

NMEA2000 覚書

先日GPSやらレーダーを導入検討する際に、各種航海機器の通信プロトコルの勉強をしました。有名どころはNMEA0183なのですが、これはググるとかなり勉強になるサイトが沢山ありましたが、、、NMEA2000にはまいりました・・・。日本語解説は殆ど無く、、、ヤフー翻訳に頼りながら海外サイトの和訳の連続になりました・・・・・。

最近、覚えたことすぐに忘れるので、、基本的に備忘録です。素人が自分で調べた事なので間違っている部分もあるかもしれません。ブログアップはしましたが信憑性は”??”です。その点はご了承ください。

Nmea2000

NMEA2000はCAN-BUSという汎用通信規格を使ったものです。最近の車のメーターパネルやエンジンコントロール、オーディオなどもこのCANBUSを使っているようです。汎用規格ですのでコストが安く作れる上、各社の規格がほぼ統一できるのがメリットのようです。

尚、NMEAというのはナショナルマリンナンタラという団体の省略名で、船舶通信の業界規格団体のようです。アメリカに所在するようです。2000というのは、プロトコル(通信をする上でのお約束、決まりごと)の名前のようで、深い意味は無いようです。従来はNMEA0183が有名でしたが、若干時代遅れになってきたようで新規格としてNMEA2000を立ち上げたようです。

NMEA2000は航海計器に始まり、エンジンのコントロールやエンジンメーターパネルなどもカバーしているようです。これらのNMEA2000機器はそれぞれ決まったIDを持ち、専用ケーブルで繋いでいけばコンピューターの「プラグアンドプレイ」のように自動的にお互いを認識し通信開始する構造になっているようです。

その通信回線ですが、上記のピンク図に略図を載せました。幾つか決まりごとがあって

  1. バックボーン回路と称される主幹電線に、ドロップケーブルと称される接続ケーブルを使用して各機材をつなげる
  2. 電源は一箇所より入力し、各機材はバックボーン回路を経由して電源を貰える構造になっている
  3. バックボーン回路とドロップケーブルはNMEA2000では規格品となっている。それぞれ専用コネクタで繋がれ、プレジャー用回路の殆どは「マイクロバスコネクタ」によって接続される。これより大電流が流れる回路では「ミニバスコネクタ」というのも規格として存在する。
  4. 信号線はツイストペアシールドとする。(信号のプラス線・マイナス線よって、シールドケーブルで伝送するということ) 理論上、1200mまで引っ張れることになっている。
  5. バックボーン回路の信号線終端には必ずターミネーターを接続する。ターミネーターは120オーム、1/4wの抵抗器を用いる。(所謂一般的に「抵抗」と呼ばれるカーボン抵抗でよい)
  6. 配線の色も規格で決まっている(ようだ)
  7. 電源の供給場所は、供給点から見て左右とも同じ消費電力になる部分とする。

以上の決まりごとを確認したうえで、レイマリンのSeatalk ngというNMEA2000準拠のデータバスを、フルノCAN-BUS(こちらはNMEA2000そのもの)に繋いでみました。専用コネクタなどは使わずに、上記の配線図どおりに結合をしてみたところ、ちゃんと通信してくれました。

さてレイマリンのSeaTalkバスですが・・・・

日本においてオーパイなどはレイマリン社のものが圧倒的シェアを占めていると思います。だが、レイマリンの通信規格は「SeaTalk」という独自規格に始まり、「SeaTALK2」「SeaTalkHS(ハイスピード)」「「SeaTalk ng(=ニュージェネレーション)」と実に4種類あります。この中でngはNMEA2000準拠となっており、配線コネクタの形がレイマリン社独自になっていることを除けば共通性があるようです。ちなみにレイマリン社独自のケーブルをぶった切ると、中身の電線は色分け含めてNMEA2000と一緒でした。 但し、レイマリンが出している「SeaTalk ngハンドブック」を読んでみたところ、「ng経由で通信を行う場合、その機器にはSeatalk機器を接続させないこと。さもないとNMEA2000が脆弱になる恐れがある」と書いてありました。私が持っているオートパイロットは「SPX-5」という機材なのですが、これにはレイマリン社の風向風速計「ST-60 WIND」を結合させています。ですのでオーパイとフルノプロッタを2000経由で繋ぐと、この注意書きに抵触します。。。。実際は普通に動いてくれたのですが「脆弱になる恐れがある」というような表現があったので、命がけの海上で使うには不安がよぎる・・・・ということでオーパイのSeatalk ngとの接続は止める事にしました。

あと、レイマリンは長年「SeaTalk」というバスを使ってきました。この回路の上を流れる信号内容はNMEA0183とほぼ同一であります。しかしながら、物理的な通信方法が異なっているようでコードを繋いだだけでは接続は不可能のようです。 

それぞれのスペックは

NMEA0183

  • RS422準拠の通信方式
  • 基本は4800ボー。AISなどは38400ボーの高速転送。
  • この方式は送信プラス、マイナス、 受信プラス、マイナスの4本線で相互に通信を行っている。
  • 物理的な信号伝送は、データHiの時は通信線のプラスマイナスの間が+5v。データLoの時は-0.2V程度。
  • パソコンにNMEA0183信号を入力する場合には、シリアルポート(RS232C)を利用する。だが、物理的な方式が422と232cでは違う。422は”データ線のプラスとマイナス”の間が0vか5vかで判断している。一方、232Cは”回路のグラウンド”と信号線の間で何ボルトの差があるか?で判断している。232Cの基本は+15v。最低+5v。また、データLoの場合に+15Vとなる。
  • ということで、232Cを422に直付けしても通信できる可能性もある。基本はダメと思ったほうが良い。
  • 422はいわゆる「バランス伝送」でノイズに強い。但し信号線のプラスとマイナスをよじるツイストペア線である必要がある。(ことになっている)
  • 理論的には422だと1kmほど引っ張れるが、232Cは15m程度が限度。これは作動増幅器が入っているかどうかで、ノイズ耐性の違いによるもの。
  • 信号内容はどちらもアスキーコード(文字列)にて行う。

一方Seatalkは

  • 232Cに似ているがちょっと違う。232CはデータLoが15VだったがSeatalkではデータHiが15Vになる。反対になっている。
  • 反転増幅器を挿入すればSeaTalkと232Cの通信は可能のようである。

これについては

http://www.thomasknauf.de/rap/seatalk3.htm#Uni

こちらに素晴らしいデータが揃っています。サイト閉鎖になったら寂しいので、新たに手書きで回路図を掲載・・・

232

« 夏だ。シャワーが気持ち良い! | トップページ | 本日の航海日誌 梅雨の合間の出航 »

整備備忘録」カテゴリの記事

航海計器類」カテゴリの記事

コメント

大変勉強になりました!
NMEAの配線ってどうなってるのかと思ったのですが、図面で説明されて納得できました。
また参考にさせていただきます。

書き込み有難う御座いました。
また、お役に立てまして光栄です。

自分も近々、レーダーを再度取り付け予定がありまして・・・・
すでに前回やった内容が頭の中から抜け落ちております・・・・(嫌ですねぇ~)
今一度この記事を読んでみて、備忘録って大切だなぁと改めて思いました。
半分以上は記憶の外の状態でした。。

備忘録ですので、間違った点もあるかもしれませんので、その点はご容赦ください。

今後ともよろしくお願い致します。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NMEA2000 覚書:

« 夏だ。シャワーが気持ち良い! | トップページ | 本日の航海日誌 梅雨の合間の出航 »