昨日より船底塗装とキングストンバルブ交換の為にヨットを陸にあげました。
とは言っても、船体価格にパックされた内容なので業者さんが行ったのですが・・。
陸に上がっている間に、船体バフ掛けと船名シールの貼り付けを行いました。
しかし、バフ掛けはホントに辛い作業です。フネの作業の中で一番嫌いな作業だったりもします。
結局朝10時にスタートして17時までの間で7割ぐらいしか終わりませんでした。
腕パンパン、足ガクガク。今日は全身筋肉痛・・・・・・・。
そんな中でバフ掛けのTipsをご紹介いたします。

まず何はなくともポリッシャーが必要。私は写真の「マキタPV7001C」というのを使っています。実売2万以下で買えて、瞬時に高速低速切り替え出来、ボディも熱が伝わりにくい構造という感じで、流石のマキタという感じでかなりお気に入りです。
これに使うバフは「羊毛バフ」。 バフの種類には色々あって「スポンジバフ」「ウレタンバフ」などが入手しやすいと思います。でも、ゲルコートの艶出しをするにはスポンジ系じゃ弱すぎて時間が掛かりすぎる為、羊毛バフ必須だと思います。 ウレタン塗装仕上げのフネの場合は羊毛だと研磨力強すぎるためスポンジバフの方が良いかもしれません・・。羊毛バフは結構高いですが、30ft艇ですと片舷で4~5枚ほど用意するのがオススメです。バフがけしてると段々とコンパウンドが羊毛に絡み作業効率が極端に低下しますので・・。
コンパウンドは3Mのを使っています。(別に3Mじゃなくてもいいけど、これが一番使いやすかった気がします)ここで必ず「ノンワックス・ノンシリコンタイプ」を選ぶのが賢明です。シリコン入りのコンパウンドは同時にワックス掛けもできるのですが、バフ掛けでこれを使うとゲルコートの奥底にシリコン粒子を圧入しちゃうので、万が一の事故の時の再塗装にえらい苦労します・・・。下手するとゲルコートが無くなるほど下地を削らなきゃいけなくなるので・・・。実は過去にこれで大失敗して、それ以来ノンシリコンタイプにしています。 3M製品だと「エフ1、エフ2」などが有名で入手も楽だと思います。 尚、ゲルコートのバフがけが長期間行われていなかった部分には「中細目」ぐらいの若干粗めのコンパウンドがオススメです。極細目だとなかなか研磨が進まなく苦労します。初回は細目でも結構辛いときがありました。勿論、艶はこちらの方が上だけど、どーせ1年もすると白っちゃけちゃうのがゲルコートの宿命ですので・・・。
今回は、YBMの船具屋「コジマ」さんにて、3Mの中目ぐらいのをホットドッグのケチャップ入れに小分けしたものを買いました。1500円ほどだったでしょうか。作業性良かったです。
一度キレイにしてしまえば、あとは半年に1度ほど「エフ2(超微粒子)」を使ってます。半年前の処理がダメージ受けない間ならば、これで速度的に問題ないし、超微粒子だけあって艶も良いですので。
さて、ここからがTipsです。
ポリッシャーを一日持っていると、翌日腕が上がらないほどの疲労に襲われます。そこで、下図のような造作をしてます。
ポリッシャーと同じような重さのものを「井戸の釣瓶」みたいにする訳です。すると作業中、殆ど無重力感覚で重いポリッシャーを扱えます。これが有ると無いとでは雲泥の差になります。ターニングブロックはそこらに余っているもの何でもいいと思います。バウから出ている緑色の「適当なロープ」はターニングブロックがポリッシャーの真上に来るようにする為の位置調整ロープです。
あと、ポリッシング中のコツですが・・・・ゲルコートは硬いので、車の塗膜を磨くのと違い、ある程度力入れつつ、ポリッシャーの移動速度をゆっくりにする必要があると思います。(これは車の塗装を磨く時にはご法度の方法です。。。)しかし、度を越えるとコンパウンドが発熱し、最悪熱でへばりつく事があります。そこまでいかなくても、コンパウンドの水分を失い、ガム状になって船体にへばりつく事が多くなります。こうなった場合、そこだけ重点的にポリッシングして剥がしたくなりますが・・・まず剥がれてくれません。
その際の方法として3つ。一つ目は霧吹きに水を入れた物を用意し、シュシュッと水を噴霧してポリッシングするとウソみたいに剥がれます。但しバフがベタベタになってくるとガム状になる率が高くなるようです。霧吹き使うとバフが濡れてベタベタになってしまう欠点もあります・・。
二つ目に、濡れ雑巾を用意して、こびり付いたらふき取る。個人的にはこれが一番楽な気がします。
三つ目に、バフをとっとと新しいものに交換する。もしくはバフクリーナーなどで清掃するのが根本的解決でしょうか。
あと、ポリッシングが進んでいくと、バフ回転にて乾燥したコンパウンドが飛び散り、周囲に付着します。同時に、バフの汚れが進んでコンパウンドが切れにくくなります。こうなる前にバフ交換するのが一番なんですが、バフも高いですから、そう何枚も持ってられない・・・。
よって、少々曇っていても先に進め、数分して乾いた頃を見計らって空拭きすると艶が出ます。艶が足りなかったら再度その部分をバフ掛けする。こんな感じで進めないと、「延々クモリが取れずにバフがけが進まん」という悪循環に陥りますのでご注意された方がよいかと思います。でもそれも程度問題で、、、、コンパウンドが絡みついたバフでは殆ど研磨されていないようにも感じますので、バフを清掃するか交換するか、もしくは「今日はここだけ」という感じで手持ちのバフが汚れたら終了!と先延ばしにするのが結果的に一番だと感じます。
あと、「バフクリーナー」というバフの掃除用具があると便利みたいです。(って持ってないんですが・・・。) 無い場合は、バフを回転させながら割り箸を軽くバフに当てます。すると乾燥したコンパウンドの粉がビャーっと剥がれてくれます。もしコンプレッサーが使える環境なら、同じくバフを回転させながら高圧エアを吹き付けるとかなりキレイになります。
それと最後に面倒でもバフを洗うこと・・・。これを怠ると次回悲劇です。。。
バフ洗いのTipsですが・・・バフに中性洗剤を垂らし、デッキのノンスリップパターン面などにホースで水を掛けながらバフを回転させます。するとものの数十秒でバフがキレイになりますので、最後に数十秒空回転させ水気を飛ばしておくのが一番簡単な気がします。
以上、バフ掛けTipsでした~。もっと良い方法あったら是非コメント頂けると幸いです。私も少しでも楽をしたい・・・・。バフがけ大嫌い。。。
12月追記・・・
久しぶりにコンパウンドがけ行いました。まだ前回の処理が生きていたので、超微粒子タイプの「エフ2」にて行いましたが、半年前に比べて数分の1の時間で終わりました。やはり早め早めが一番楽だな・・と感じます。
さて、車関係のサイトでバフ掛けをググっていたところ、面白いTipsが幾つかありました。もっとも、車は鉄板にウレタン塗装した面についてのTipsですので、ボートとは違う部分も多々有りそうですが、覚書含めてご紹介を・・・
- コンパウンドのこびりつきはどうすればいいか?>ウエスで除去する。無理にポリッシャーで取ると焼きつきの原因になる。バフにコンパウンドが付きすぎるとこれらの原因になるので、時折バフクリーナーにて除去を行う
- コンパウンドが切れない。(切れる=回転させ無くなっていくこと)。コツは?>コンパウンドの付けすぎが主な原因。通常、1分程度で切れる量のコンパウンドを付ける。またバフにコンパウンドが絡みついてもこうなる。バフクリーナーでキレイにするか、交換する。 ウラ技として、軽く霧吹きで湿らせると切れが良くなる。ただし、やりすぎるとベタついて始末におえなくなるので、あくまで「軽く一吹き」がポイント
- ポリッシャー後のコンパウンドはどうなるのか?無くなるまで磨くのか、適当なところでふき取るのか?>ポリッシャーをすると段々とコンパウンドが無くなってきて塗装面が見え始める。この段階で、バフにある有効なコンパウンドは終了と考える。(残りはウエスでふき取る。)
的を得た内容だと感じます。次のポリッシングの時にチャレンジしてみます。
更に追記・・・
ポリッシング時間短縮には下準備が全て・・と感じるようになりました。でも毎回忘れるので、またまた備忘録
- 目に見える黒い汚れは「激落ち」などの台所メラミンスポンジで落としておく。コンパウンドでは非常に時間が掛かる。
- 同時に、凡その汚れは先に落としておく。これにより、バフの汚れが大幅に減り時間短縮になる
- ノンスリップデッキ面を磨くのに、「ホース流水」「車用水垢シャンプー(但し水溶性)」「羊毛バフ」が大変効果的。流水させながら軽く当てるだけで、かなりキレイになる。下準備には今のところこれが一番楽?
- 本番前にそろえるもの・・・大量のウエス・霧吹き・コンパウンド・ポリッシャー・バフ沢山・バケツ・バフクリーナーか割り箸・マスキングテープ。上架時のハルサイド処理にはプラスしてブロック・ロープ15m程度2本・錘用フェンダー・延長コードリール・3-4m程度の延長コード・落下防止用ハーネス・脚立と渡り板
- バフの枚数も限られるので、先を欲張らず、バフが汚れて作業効率が低下したらその日は終了という気持でポイントポイントを順次磨いていくのが一番楽。
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