ボートの猛者、、、来客。
私自身、初心者のへっぽこ迷走船長なので偉そうなこと何も言えないが・・・
それでも、
「ヨット初めてなんです」
というゲストや友人が来た時は、まずは怖がらず、そして退屈しない程度の帆走に留めて2回目に繋げるようにしています。
ですが、本日のお客様は・・・・ボートでは歴戦の猛者が来る事に。
もう間もなく20年近くのお付き合いとなる友人なのですが、、、、KAZI社出版のボート雑誌に10年以上連載記事を書いているというO氏と遊びに行く事になりました。(O氏と書いたけど、殆ど「公人」に近いので伏せ字じゃなくていいかも・・・。笑。)
彼は兎に角よくも悪くも「船マニア」で、物凄い好奇心の塊の方。そんな彼がヨットというのをどう判断するのか内心ひじょーーーに見ものでした。
本日はとりあえず浦賀のヴェラシスを目的地として出航することに。
さて、ここのところ天候が落ち着かなく、本日も異様な雲が広がっています。風は南風5-7mといったところ。でもスコールが来そうな雰囲気。
出航後5分、西の空に真っ黒な雲が立ち上っています。そしてそれが見る見る近づいてくる。10分も経たないうちに目の前に迫り・・・・
ドドッと雨が降ってきました。
彼には「濡れるの前提の服装で」と事前に伝えてあり、ほぼ泳げるような格好で来てくれていたので自然のシャワーもいいか・・・ということになり、このまま進みます。
この雲により、突風が予想されたので1ポイントリーフ。ジブは135%ファーリングジブを全展開です。まだ風は上がっていなく、この状態だと4kt航行と平和すぎる感じ・・・。
そしてここから通常の初心者より1、2段難易度を上げたレクチャー開始。
しかし・・・驚くことに、全てを一発で理解します。なんなんだ、こ奴は・・・・。
彼、夏に家族旅行で海外に行くこと多く、海外行くと飛行機とヘリコプターの体験操縦を何度もこなしています。飛行機大好き人間で、、、ボートやる前はラジコンヘリコプターとラジコン飛行機にハマっていたような人。って、かくいう自分もラジコンヘリにはドップリドツボにはまる程染まったんですが・・・・ そういう「下地」があり、とにかく「翼」に関しての知識が半端じゃありませんでした。
専門用語は知らずとも、シートの出し入れの理由、ドラフトの調整、揚力と抗力、、速度を稼ぐか高さを稼ぐか、、、、このような事が「あたりまえ」のようにサクサク理解してくれます。
結局、往路の途中からは自ら舵を持ち、リーチリボンとテルテールを見ながら実に絶妙のところを走って行きます。繰り返しますが・・・なんなんだ、こ奴は・・・・。
一度タッキングを行うと、タッキング後のセイルメイクをほぼ瞬時に理解し、何も説明していないのにこれまた絶妙な位置を保って走って行きます。
うーーむ・・・・ヨットの世界に何としても引きずり込みたくなる・・・・笑。。
そんな感じで船は進み
観音崎がよく見えてきました。この辺りから風が少し変わり、天候も回復してきました。
リーフも解除し、5-6kt程度で快走します。
そして、こ奴がO氏です。。。雑誌でよく出ているのでご存知の方も多いと・・・。
もうこの辺りまで来ると、全く心配せずに全部任せちゃってる感じで、船長の私はバウで写真撮ったりと実に快適クルーズでございます。。。
ライフラインの向こうに観音崎が見えます。
この先、浦賀に入るのですが、
「ショートカットはヤバイよ。手前に網がいっぱい入ってると思うよ」と、O氏。
近づいてみると、小さな発泡スチロールがあちこちに浮いています。
危険危険、くわばらくわばら。
こちら、大凡の網の情報です。但し、これを信じて網に捕まっても当方は一切責任持てませんので、最新の情報を入手の上で御安航お願い致します。
約3時間半ほど掛けてヴェラシス前に到着。
既に午後2時を回っていたので、ここで上陸せずにUターンです。
今度はクローズホールドから一転して追っ手の走りとなります。
観音崎を後ろに見て一路YBMへ舵を取ります。といっても、風、波ともに安定で、この辺りからはオーパイにお任せ。
私はキャビンに入り、ラーメン作りを開始します。
その後しばしラーメンすすりながら昼食タイム。
これはヨットの特権ですね。ボートだと絶対これは出来ませんから。
ボートだと先程の「目的地にてトンボ帰り」ということもまずあり得ません。でもヨットだと、目的地は「あくまで目標地」という感じで、下船する必要は特にないんですよね・・・。ヨットの中だけで全部完結出来てしまうのが良いところです。
途中、南極観測船と護衛艦のお見合い状態に遭遇。この図は珍しいかも。
その後、護衛艦は我々の鼻先を横切り、横須賀基地へ入港していました。
心の中で「皆様お疲れ様」と敬礼を・・・・。
こんな感じでボート猛者のO氏とのクルーズを終えました。
彼に「ヨットはどうよ?」と聞いたところ・・・・
- ヨットとボートは別モノだと理解出来た。(注釈:ボートマンは「あんな遅いヨットに乗って楽しいのか?」と必ず思っている。でも比べる事が間違いなのだ。しかし、一度自分が「ヨットの理屈をある程度理解した上で」舵を握って航海してみないとヨットの本質は理解しにくい・・・と私は思う)
- ダイナミックに変わっていくセイルを如何に上手くトリムするか・・・その辺りの面白みが実感できた
- 6ktも出るとかなり速いと感じるのが意外だった
- ただ走るだけで楽しめる・・・というのが、なるほど実感として感じられた
と、こんな感想を残されてました。
また是非一緒にいきましょうねーーーーーー。よろしくお願いします~。
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