シーリング材覚書
各種シーラントの覚書
出先で材料購入時や、船内にて工事時に見るための自分用の覚書なので、間違っていることもあると思うので信用しないでください。
シリコン系
- 耐久性・耐候性・耐紫外線は非常に良い。
- シリコンオイルで汚れるのが欠点
- 塗装は出来ない。逆にいうと、何物も上に乗らないのが特徴。
- 一般的には脱オキシムタイプが多く、その他に脱アルコール・脱アセトンタイプ・脱酢酸がある。(オキシムタイプ・脱オキシムタイプ および アルコールタイプ・脱アルコールタイプは同じもの)
- 一般型(オキシムタイプ)は硬化時にケトオキシムガスを放出し硬化する。これは密閉空間だと銅を腐食させる。脱酢酸タイプは酸性ガスで更に腐食度合いがひどい。密閉空間での電線保護などは脱アセトンが第一選択。脱アルコールも良い。
- 同じ理由でポリカーボなどの樹脂をクラック発生させる。脱アルコールタイプが良い。
- ポリウレタン系シーラントの硬化をケトオキシムガスが邪魔をするので、同時にポリウレタンシーラントを近くで使う時は注意する。
- 脱オキシム・脱酢酸は似たような性質を持つ。脱アルコールタイプは金属腐食が無いが、密封耐熱性がオキシムタイプより悪い。あと未使用保存性が他のタイプより若干劣る。脱アセトンタイプは密封耐熱性もよく、物理特性では一番良い。(ただしアクリルなどには良くないと思う)
- 剥離の方法は削り取るしかないらしい。トルエンで柔らかくはなるが、結局は削る必要あり。
- 耐熱性は常時120度まで、瞬間150度まで。
変成シリコン系
- シリコンに比べると耐久性が劣るが、相対的には良い部類。
- 低モジュラスタイプは塗料変色・硬化速度・硬化追従性能を改善させたもの
- モジュラスとは簡単にいえば硬化後の硬さ。(厳密には違うが)
- 一般的には塗装が必要な外壁全般に使う。
- 塗装可能だが油性塗料は乾かないトラブルが発生することが多い。
- ガラスとガラス、ガラスと金属にはシリコン系の方が適している
- 浴室などの常時高温多湿かつ、多種薬品(かび取り剤)などに曝される所は、変成シリコンより一般シリコンを強く勧めるとメーカーは公表している。
ウレタン系
- ポリウレタンとアクリルウレタンがある。アクリルは2液だけのようなので割愛
- 耐久性は非常に高い。但し紫外線に弱いので必ず塗装が必要。
- 塗装可能だが油性塗料は乾かないトラブルが発生する事が多い。
- ゴム弾性を持つ。硬化追従性能はトップクラス。
- シーカフレックスはこのタイプ。但し、UVに弱いのを改善しているという。
- 対UVテスト2000時間の結果写真を見ると、通常ポリウレタンはボロボロにひび割れる。変成シリコンは部分的に僅かなひび割れあり。シーカは全くひび割れなかった。これを信用する限り、非常に性能高そうだ。
- ウレタン系シーランとの劣化原因は主成分ウレタンポリマー(配合比50%)が熱および加水分解により劣化するのと、可塑剤(かそざい。配合比20%)の欠落によるものらしい。
- 建築ではALCパネル・押し出しセメント板の目地に広く使われる。
- 硬化時にアルコールやオキシムがあると硬化不良を起こすので注意。
- 浴室などの常時高温多湿かつ、多種薬品(かび取り剤)などに曝される所は、ウレタン系より一般シリコンを強く勧めるとメーカーは公表している。(シャープ化工)
ポリサルファイド系
- 昭和33年に登場した歴史の長いシーリング剤。初のゴム弾性シーリングとして登場。
- PCBを可塑剤に使っていたため、20年ぐらい前には全廃らしい。
- 仕上げ表面を軟化変色が大きく、塗装にはあまり向かない。
- 動きの大きいところに向かないという報告もあり。(ゴム弾性なのに?)
- ほこりが付きにくいメリットあり。
- 建築ではパネル・タイル・笠木によく使われているらしい。
アクリル系
- 水性シーリング剤。
- 一番安価な材料
- ALC目地で使われる程度であまり用いられない。
- 塗装が必要である。肉やせしやすい。
- メリットとして水性であるので接着面が濡れていても施工可能。
- 紫外線が当たらない場所ならばポリウレタン使っておけば、その後の補修作業が非常に楽である。(塗装も出来るし異種シーランとの重ね使用可能)
- カタログスペックを信じるならば、シーカフレックスが使いやすい事になる。しかしUV性能がどうなのか??
- 以前の施工状態が判らず、それでも確実に防水というならばシリコンしかない。ウレタンや変成シリコンの上に重ねるのは製造元確認とはなっているが、大丈夫という情報もかなり多い。
施工上の注意点・・・・・
一定の厚みを持った施工が望ましい。特に両端を薄くすると、薄い場所から劣化が早まり切れることが多い。
プライマーについて
- 切断面などにテープを貼ると判るが、すぐ剥がれること多い。シーリング材にとっても同様であるのでプライマーは大切
- プライマーを塗ったらその日のうちに施工しなければ意味がないらしい
可塑剤移行防止プライマー
- シーリング材の上に塗装すると、可塑剤が塗料に移行し、それが表面に出てべた付くことが多い。
- 施工後暫くして黒い水垢などが塗装面につくことがるのはこのため。
- これを防止するためにコーキング後に可塑剤移行防止プライマーというのを塗ると、塗料に可塑剤が移行するのを防ぐことが出来る。
- この作業は建築業者により省くことも多いらしい。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ジブのソックスのアイデア頂きます。この前から、考慮中でした。
シールに関しては、シリコンが1番ですが、油分が多いので、黒ズミみたいなのが、発生します。
接着力・シール力に関して、一番と思います。
しかし、建築業界では、直射日光が当たる場所では、3年(メーカーです)保障です。基本的に3年で打ち替えるつもりで、シールしてます。
重ねてシールするのは、ちょっと、感心出来ません。
投稿: K・S | 2011年9月27日 (火) 15時48分
どもども、、、レスいただけるとは思ってませんでした。笑。
ほんと、、このスレは自分の覚書のつもりだったので・・・・
船の中や、材料屋に行った時、シリコン関係って「あれ??どうだったっけ??」と
何時も悩むんですよ。
でも、今年の正月ごろから「スマートフォン」を使えるようになったので、その場で検索掛けられて随分楽になりました。
その延長線上で・・・・何時もどうだったっけ?と悩むならば、自分のブログに覚書の
スレを上げておけばいいじゃない・・・と気がつき、「整備備忘録」のカテゴリに
一まとめにしてアップをするようにしています。
今回のスレはその一端でした。
投稿: 迷走船長Lumy | 2011年9月27日 (火) 16時22分