とある小説を読み・・・・
今日はヨットネタとは離れます。
ここのところ、休日は療養の為に家に居る事が多く・・・・
昔買った本を改めて読んだりしておりました。
その中で
こちらの小説・・・・・。
たしか購入は去年だったと思います。
結構面白くて一気読みしましたが・・・・
まあ所詮は空想世界の物語程度にしか感じていませんでした。
簡単なあらすじを申しますと、テロリストが核爆弾を入手する代わりに世界最大の原発を占拠し、原発が一夜にして原爆となる物語です。
それを解決するための政府・自衛隊・技術者。そしてテロリスト側はロシアの核物理学者とテロリスト兵士たち。
原発を武器と変化させる為の手法としては
「原発を暴走させ、核燃料を溶融。ベントバルブを開き、汚染ガスを大気放出させる」
というもの。それを阻止するための物理学と人間ドラマです。
どれも妙に詳細な描写で、単なるSF作家には思えませんでしたが・・・改めてプロフィールを見ると、作者は原発設計に携わった技術者でした。詳しいわけだ。
今回、再度読み返してみたところ・・・・・・・・・
読んでいて・・・・吐き気がしました。
「最悪を阻止する」と命懸けのドラマが繰り広げられるのですが、311にてその最悪の状況が既に現実のものとなっているからです。
311では「想定外」の出来事にて「仕方なく」発生してしまった事故という風潮になり始めていますが、改めてこの本を読むと、自然災害かテロかの違いだけで、原子炉溶融に伴い発生した「事実」は、小説も現実も一緒なのです。
物語の中に「最悪の状況」を回想するシーンが何度も出てきます。
去年読んだ時は所詮は小説の中の出来事でしたが、、、、
改めて読むとそれが現実に発生し、その「最悪の状況」の中で生きていかなければならない一人の国民として小説を読んでいる訳です。
物語のラストに、テロリスト側の技術者がこんなことを言います。
「私の一族はチェルノブイリ被爆で全て死に絶えた。そして私も余命はあまり残されていない。しかしロシアは未だにチェルノブイリ型原発を沢山稼動中だ。それどころか新型原発と称し、軍事用プルトニウム製造炉を原発に流用しようと企んでいる。しかし私には建設を阻止する手立ては無かった。政府は目先の利益しか見ていない。国民はそれに洗脳されている。
今、それを止める為に・・・・一度、大都市に於いて原発が暴走した状況を身に染みて感じればいいと思う。
そうすればきっと世界の目を覚ますことが出来る。その為に私はテロリストと手を組んだ。」
でも現実はどうでしょうか・・・・・・・・・。
小説の中で「最悪」と呼ばれた状況が現実に起こってしまいました。
でもつい先日、わが国は他国に原発を売る方針を強く打ち出した程です。
逆に小説の中では最悪の状況は回避されて終わっています。
しかし去年読んだ時には「テロが成功していたら?世の中はどう動いていたか??」と不謹慎な興味を持ちました。
そして今回・・・・
事実は小説より奇なり。
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