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2012年8月13日 (月)

オーパイ装着 ~その10~

ラダーアームが到着し、船に取り付けてみました。

その他の部分は事前に凡そ取り付けが終わっていたのでほぼボルトオンで終了。

一部細かな造作がまだ終わってないのですが、、、、待ちきれずにまずはテスト航行を。

テスト航行の前にオーパイの初期セッティングを行わなければなりません。

ですが、これはそう難しいことありませんでした。
SIMRADの場合、大まかな流れは「ドックサイド」というメニューを行えば初期セッティングが完了するようになっていました。その中身を簡単にいうと

  1. ボートタイプを設定する(SailBoatを選択)
  2. 最大舵角とニュートラル位置をオーパイに設定する
  3. ラダーセンサーフィードバックテストというのを実行する。すると最適なオーパイモーター速度などを自動設定してくれる
  4. 自動感度切替の速度閾値を登録する(巡航の半分とのことで3ktに設定)

事前の設定はこれだけでした。

あとは海に出て「オートマチックチューニング」という機能を実行すると、3分ほどスラロームをしながら最適なラダー感度などを合わせてくれました。

それと、方位センサーに磁気コンパスセンサーを使用する場合は、シートライアルにてコンパスキャリブレーションを行うように説明書に書いてありましたが、今回はNMEA2000経由でサテライトコンパスのデータを入力しているため、この辺りは一切不要でした。

さて、海に出てみます。

が、、、出た瞬間、夕立土砂降り。

P1030712

でもまあ、涼しくて丁度良いということにしてテスト開始。

まず「オートマチックチューニング」なるものをスタート。

P1030715

こんな感じの画面が出て、船は2~3分の間勝手にスラロームを繰り返します。これにより最適パラメータを勝手に探り出してくれるようです。尚、この機能はRaymarineのSPXシリーズ以上も搭載されていましたので、今後はこれが主流になるのでしょうね。

さて、初期設定が終わり、いよいよオーパイをオンにしてみました。

オーパイ「AUTO」ボタンをポチっとな!

するとラダークラッチが音もなく繋がりティラーハンドルが自動で動きます。今まで使っていたティラーパイロットST1000に比較するとほぼ無音で動作しています。また、ST1000に比較してあて舵の量が非常に少なく感じます。最初、「壊れてるのか??動作してないのでは????」と不安になったのですが、よくよく見ると絶妙な量の舵を入れてくれています。結果としては殆どオーパイが動いていないように見えているだけでした。

コレハスゴイ・・・・。

本日のテスト航行の感想を先に申し上げれば、「今まで使用したオーパイの中では圧倒的な安定感」を感じました。本日は機走だけなので追い風などの厳しい環境ではわかりませんが・・・本日に限って言うと、兎に角余計な舵が入らず、かなりの上級者が操船しているような印象を受けるほどに安定しています。これは多分、サテライトコンパスの方位データを元に動作させているのも大きいのでは?とも感じます。Raymarineはこれが出来なく、SIMRADをチョイスした大きな理由でもありましたので、期待以上だったので嬉しい限りです。

さて、次のテストとして、風向風速データとのリンクを確認。

ウインドベーンモードというのですが、設定した風向にあわせて舵を切ってくれる機能です。セイルアップの時は重宝しそうです。

P1030720_2

ウインドベーンモードをスタートするとこの通り。。。

実に安定して正面から風を受けるように動作してくれてホッとしました。

この機能はRaymarineSPXシリーズにもついてまして、同社オーパイSPX5とST60Windの組み合わせで大変有効に利用できた経験ありました。それと比べて同等の安定度という感じです。但し今回はフルノ風向風速計とSIMRADオーパイの他社組み合わせだったので、ちゃんと動くか心配だったポイントでもありましたが無事にクリアです。

続いてナビゲーションモード(トラックモード・ルートモードと呼ばれる機能)のチェックを。

尚、この機能はフルノナブネットとレイマリンSPX5での接続ではエラーが出て使用できなかったですので興味津々です。

どの程度のルートキープできるかを見たかったので、横波・横風になるようにルートを作り、低速(3kt弱)で走ってみました。

P1030722

するとこんな感じ。GPSルートのほぼ真上を頑張ってキープしてくれました。これに関しては人間が舵を切るよりも明らかに精度が上という感じを受けました。

ルート上の変針点(ウエイポイント)に差し掛かると、オーパイからブザーが鳴り「次のポイントへ向けて変針していいか?」と聞いてきますので、OKボタンを押すと針路変更が始まります。 この確認作業があるのでルート完全自動航行は無理ですが、事実上はほぼ完全自動航行ですね。

最後に「ノードリフトモード」というSIMRADの目玉機能をテストしてみました。

これは、潮流や風などがあっても、オーパイオンにした時点での針路ベクトルをキープする機能です。普通のオーパイは「ヘッディング」をキープする訳ですが、ノードリフトモードは「針路(ベクトル)」をキープするのが大きな違いです。

内部アルゴリズムがイマイチ判らないので、今回はさわり程度しか判らなかったのですが・・・・・それでもこの機能を試してみて「腰を抜かすほど」驚きました。

これも横波・横風の中で低速で走ってテストしてみたのですが、ノードリフトモードをスタートすると徐々にフネのヘッディングが風上に向かっていきます。目的地とは全く別の方向(風上)に向かっているかのように不安になるのですが、驚く事に見えない一本の線の上を確かに走っているのです。車で言えば「カニ走り」の状態?スキーでいえば「横滑り」の状態??できちんと一本の線の上を走っていきます。

人間様が自分で舵を持つと、ここまでのドリフト状態(風上に30度以上頭を振っている)をキープして目的地にまっすぐ走るのは不可能に近い気がしました。

コレハスゴイ、、、。。。。。

とりあえず本日はここで時間切れでテスト終了。

あくまで機走だけのテストではありましたが、想像以上、期待以上の動作をしてくれました。

今回は一歩間違えれば人柱玉砕覚悟の選択だったので正直大変に嬉しい限りです。

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コメント

はじめまして。楽しく読ませてもらってます。
無事に動作したようでなによりでしたね。
それにしても最近のオーパイは凄いものですね。

ところで素朴な疑問ですが、普段これらの機能を全部使用してるんでしょうか?
私はコンピュータには疎い世代でネットを見るのが精一杯なのでとても使えないと感じました。
バッテリなどがすぐに無くなったりとかは問題でないのですか?
またこれらに慣れると故障時に困りそうな気もします。

木造船長様、カキコミ有難う御座いました。木造艇に乗られてらっしゃるんでしょうか?凄いですね。今後とも宜しくお願い致します。

なんとか無事に動作してくれてホッとしております。嬉しいお言葉有難う御座いました。

さて、疑問点ですが・・・・仰るとおりで同感で御座います。
仕事で毎日使う機材なら兎も角、フネでの出航は多くても月に数回ですので、次回使用時には使い方忘れる始末です。その為に、簡単な操作手順書を自分の言葉でメモ書きし、出航前にザッと読んで理解を改めるような感じにしています。こうしないとすぐ忘れちゃって・・・。

これらの機能を全部使っているかというと・・・・自分にとって必要な機能だけ使うというのが実情という感じです。使わない機能は使い方はおろか、存在さえ忘れてしまうこと多々です。苦笑。

バッテリですが、これは海で他の船長様からもよく言われるのですが・・・・使い方次第だと思ってます。ディープサイクルバッテリ1個あれば、レーダー・GPS・オーパイを全て使用しても半日は楽に持ってます。
私の場合はフネを始めて以来、仕事の都合上で最長で3泊の航海しかできたことが無いです。それも約20年の間に1回の事。95%がデイクルーズ、5%が1泊、それ以上は片手で数える回数なんですよね。
なので、航海機器用バッテリを2個積んでおけば全く問題無いので電力で困ったことは無いんですよね。 1週間程度のクルーズまでならバッテリ5個も積めば十分かと。これを言うと「フネが重くなるよ」と言われるんですが、うちの艇は基本シングルハンド航行なので、電子機器=クルーと考えています。そう考えればバッテリ5個なんてクルー2名分の体重にもなりませんので良しと考えています。
レースやるとか、長期帆走のみの航海に出るなどの心境の変化があったら、その時に考えようかな?と思っています。


故障時に困る件ですが・・・・・仰るとおりで御座います。。。。同感です。
なので、シーズンに1度程度、GPS・オーパイ全てを使わず、紙チャートとハンドコンパスでの航行するようにして練習航行の日を作るようにしてはおります。

紙チャートとコンパスだけの航海もフネ本来の緊張感があって楽しいと感じてます。

このオーパイすごい機能が満載されてますね、さすが選んだだけ有ります。
バッテリーは、GPS・ソナー・レーダー・オーパイ(油圧式)を着岸後、15分程のアイドリングでも、バッテリーの電圧は下がってしましいます、帆走中は、発電機から、バッテリーを充電してます。
オーパイの動作中は、テラーが動きましよね、跳ね上げてるのですか、うかっとしてると、クルーの足に当てりそうな気がします、私のは、ラットですが、動きません。
なにより、ノードリフトモードが素晴らしい、狭い水路でも使えそうで、装着完了オメデトウございます。

K.Sさん、どうもありがとうございます。
苦節半年。。。ほんと時間掛かりましたが妥協せずによかったです。

ところでティラーの動きですが、ティラー式の場合は元々オーパイがデッキにあるぐらいですので、「そんなもんか」という感じで慣れちゃって足に当たるとかのことは考えたこともなかったでした たしかに左右に動きますので邪魔っちゃ邪魔ですね。
この点ラットが羨ましいです。

お久しぶりです。
いつも楽しい話題で訪問が楽しみになっております(笑)

この記事を読んで思い出しましたが、軍艦との衝突事故で自動操舵が取り上げられて「けしからん」とずいぶん叩いていましたが、知らないやつはなにか勘違いしてると思ったものでした。

はっきり言って現在の自動操舵はよくできていて、ふらふら走る手動操舵は迷惑なんでやめてくれと言いたいところです。

ドリフトがきついときなどはオーパイが予測進路をたててくれてほんとうまい具合にコースを取ってくれます。

↓記事で出ている旗2本で真ん中浮け、こちらでもよく見かけます。
観測用の潮向潮流計が入っていると思います。
観測データーは音波式になっていて船で近づいて行くと専用受信機に保存されたデーターが発信されるようになっているようです。

sakuさん、お久しぶりです。
今年も暑いですね~。暑さに負けずにお仕事頑張ってくださいね。大漁祈願してます。

さてオーパイですが・・・・
まだ片鱗しか体験出来てませんが、オーパイアルゴリズムが格段に進歩しているのだけは実感しました。
シングルハンドの私にとってはオーパイに舵を任せられる時間が多ければ多いほど安全確認など他の仕事に意識を向ける時間が増えますので助かります

それと例のブイですが何ともハイテクなブイだったんですね。謎がとけました。有難うございます。 普段誰もが使う航路(というか道中)のど真ん中に設置されていたので、かなりびっくりしました。。。

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