バウスラスター
バウスラスターに興味津々中です。
今までに何度も装着を考えたんですが、コストを考えると断念の繰り返しをしてきました。
ただ、今回はかなりマジで検討中。
そのスラスタですが、従来のトンネルタイプ
こんな感じの奴ですね。
それの進化型のリトラクタブル格納式タイプ
こんな感じですね。
この二つが主流だと思います。
いや主流というほどには流通していないか・・・・・。
毎度の事ですが、情報が極端に少なく、情報集めに一苦労しております。
さて、上記のリトラクタブル式が性能的には一番良いのは判ってますが、金額的にも一番高く・・・・問答無用で却下
そこで通常のトンネルタイプですが情報収集してわかった事。(30ft前半のフネにつけるとして)
- 普通にトンネルを開けるのに20~50万の間の見積もりだった
- 普通にトンネルを開ける方式で、最高速度が0.5ktぐらい下がるらしい
- トンネル出口に水の流れを良くする加工をすると上手くやれば速度低下はもっと抑えられるらしい
- 数名の使用経験者に聞いたところ、10年ほど使っていて特にメンテもなく故障経験は無いと言っていた。
- 万が一壊れた場合、メーカーによってはAssy部品の交換でいけるが、基本は修理不能に近いらしい。
- 壊れた場合、そのトンネル直径に対応するスラスタが市場に無いと手の打ちようが無い。
- 喫水の浅いフネにはつけられない
- キールから距離を取るほどに効き目が良くなるが、喫水の問題でそうはいかない場合が殆どのようだ
- 色んなメーカーがあるが、有名どころはMaxPower、SIDE-POWER、Vetus、Lewmarあたりになるようだ。
- どのメーカーも我が社が一番と言い張ってるが、海外サイトで調べてみるとLewmarが(個人的には)良さそうな気がした
という感じです。
さて、これの対抗馬として、最近は外付けスラスタというのがあります。
こちらヨーロッパ製の「Exturn」スラスター。これをバウに吊り下げる訳です。
え?こんなものを吊り下げた日には抵抗が!!!
そうですよね・・・私もそう思います。いえ、そう思ってたんですが、どうやら違うらしい。
メーカーが本格的に水槽実験を行い抵抗値とパワーロス度を物理的に算出していて、それによると通常のスラスタよりも抵抗が低いらしいです。ちょっと信じられないけど。
とりあえず去年のボートショーで撮ってきた写真を載せます。
さて、こちらを調べた情報をまとめると・・・
- 30ft前半用で45万。実売価格は・・・・ディーラーに聞いてください(スミマセン)
- 工賃見積もり取ったらトンネル式に比べて非常に安価。トンネル式の1/3以下だった。
- DIY好きなら多分自分で工事できるような簡単な内容なのが嬉しい。
- 気になる走行抵抗だが、メーカーの水槽実験によると10ktにて0.1-0.2ktの低下で済むとのこと。一般のトンネルスラスタより間違いなく低抵抗であり、抵抗値で見るとフォールディングプロペラと同等だとのこと。
- 耐蝕鍛造アルミブロックをNC旋盤で削りだしたワンピースボディを採用。よって完全密封でメンテナンスフリー。ジンクも必要なし。耐久性は15-20年と発表してる
- 高強度ブロックなので、万が一の座礁や漂流物ヒットにも問題ないと発表してる。スラスタが破損するような衝突の場合は、スラスタが装着されていなくてもまず間違いなくFRPが大破するだろうとのこと。
- また船底には特殊水密ダンパーを介して50mmのステンシャフトで装着する。よって万が一の衝突の瞬間の衝撃は幾分和らげられる構造にもなっている。
- バウの先端近くに取り付けられるので、従来の半分のパワーで同等の効き目となる。
- それ故、電力も半分で済む為、バウに重量物になる大型バッテリ積むのが軽量化できる。ちなみに30ft前半用だと、トンネルタイプは350A程度。こちらは180A程度。
- 通常のスラスタが発熱の問題から数分(5分程度)しか使えないのに対し、モーターハウジングが水の中(水冷)の為に長時間駆動(20分とか)もOKらしい。
- 通常のスラスタがFRPトンネルに取り付けるため共振して大きな騒音を出すのに対し、こちらは高剛性一体アルミブロックに入っている為に非常に静か。ババリア34でテストしたら10m離れて10デシベル以上の騒音差があるとYoutubeに動画が出ていた。
- 万が一壊れた場合3年間の保証がついているとのこと。(3保証なんてマリン業界では革命的かも。聞いたことない。)
- それ以降は完全密封製品の為、基本修理不能で本体交換になるらしい。
- 将来の故障時、万が一メーカーが消失したとしても、50mmのボルト穴で船底に装着してるだけなので、現状復帰が非常に簡単。フネの買い替え時も引越し可能。トンネルタイプはこうはいかない。
という感じです。
とても優れている気がしますが・・・・バウにこれが吊り下がってる訳だから、船底清掃の時に間違いなく「こんなもの付けて大丈夫!?(いや大丈夫じゃないだろ?あに考えてんだ?)」というご指摘を通行人全員から受けるだろうから、心理的にメゲそうな気がします。。。それを除けばカナ~~~リ興味ありです。
だがその抵抗ですが、冷静に考えると外付けのほうが抵抗が少ないのかもしれない。
ヨットにバウスラをつけた艇を前から見ると、トンネルの壁が見える。これはまんま水流に垂直な防波堤になる訳なので抵抗にならない訳が無い。例え水流を調整するスポイラー構造にしても、水はトンネルに回り込む気がする。
対して外付けを前から見ると、コバンザメが張り付いているような感じに見える。流線型で防波堤となる垂直面殆ど無い。確かにこれなら抵抗は少ないような気がする。又聞き情報になるけど、流体工学の専門家は見た瞬間にこちらが優れていると言っていたらしい。
科学的な話じゃなくて感情論になるけど・・・たとえばキールの先が膨らんだバブルスキールが有ったとする。これがフネのモデルチェンジで10センチ下に伸びたとする。重くなった分腰が強くなったとメーカーは宣伝する。これを「そんな抵抗になるものを付けるなんて」という人は居ないだろう。また、「信じられない抵抗物になるから、そのフネは遅くなって話にならない」という人も居ないだろう。だがバウスラになった途端・・・・・・・・。
こういう新しいものは、そういうネガティブなバッシングを相当受けるだろうなと感じた。例え性能が良いとしても・・・だ。
ただ、自分がどちらかを選ぶとなると難しい問題だ。
例えばエアコン。マリンエアコンと家庭用エアコンは圧倒的に家庭用が優れている。これは圧倒的だ。でも、自分の艇が中古艇になった時、家庭用エアコンを装着してあるとマイナス査定にされることを今までに何度も経験した。反面高価だがマリンエアコンはプラス査定になる。世の中そういうもんですよね。これと同じことがバウスラにも言えそう・・・・・
非常に悩む・・・・・。
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