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2013年3月25日 (月)

外付けスラスター EXTURN180S 電気配線とテスト航行

スラスタ本体の取り付けはディーラーにお願いしましたが、電気配線は自分でやってみました。

まずバウスラには電源が必要になりますが、私はバウのVバースの下に新たにバッテリを増設しました。
スタンにある既存のバッテリからケーブルを引っ張るのが一般的なんだと思いますが、距離が長くなる為、極太(説明書によれば8m以上は70スケア)ケーブルをインストールするのは配線も難儀ですしケーブルの価格も相当な金額になりますので、バッテリ増設という方向で進めました。

Dsc01524
Vバースの下に新たなスイッチとブレーカーを取り付けるため、ジグゾーとホールソーで穴をあけ・・・

Dsc01530
こんな感じに並べてみて・・・

その裏側は

Dsc01531
こーんな感じでバッテリを搭載し配線をしていきました。

バッテリへの充電は陸電のみに頼ることにし、ウエストマリンから一番小型の3ステップコンピューター式AGM対応6Aチャージャーにて対応。お値段99ドルでした。

Dsc01533
一方、中枢になるのは「中継ボックス」のリレーボックス。

Dsc01525
噂ではEXTURNの親会社はSIDE-POWERで有名なスラスタメーカーと聞いた事があるのですが、リレーボックスの中身の部品は全てSIDE-POWER製でした。

Dsc01532
スラスタ本体の方はこのような感じになっています。スラスタから出る配線とバッテリから来る配線をこの中継ボックスにまとめるだけ。シンプルな構造でした。

テスト航行に向け、これらをとりあえず設置をし・・・

Dsc01534
なんとか完了してテスト航行へ。

Dsc01536
ドキドキのテスト航行・・・・・

さて、以下は写真なしでスミマセン。

テスト航行に先立ち、今回陸に船を上げる前に潮流・風の無い日を狙って速度計測を行って来ました。
エンジン回転2400rpm~2800rpmまで100回転ごとに速度を計測。
外因を排除するため、運河内の開けた内水面にてワンレグ200mほどのドーナツレグを往復しながら、GPSで平均を出す方法でやってみました。(往復するのは潮流・風の影響を可能な限り少なくするため)
また、GPSの数値を見ながら、例えば6.0ktを示している場合でもGPS誤差で瞬間的に5.8ktや6.2ktなどを示すことがありますが、それは切り捨てて変動の中間値を記録してみました。

ただ、スラスタ取り付け前後で2点ほど条件が違います。

  1. 船底清掃を同時に行ったこと。
  2. 取り付け後のテストはクルー1名増え、船の重量が微妙に違うこと。

ただし、前回の船底清掃は今年1月末に行い、まだ2ヶ月しか経過しておらず、陸に上げても全くと言ってよいほど汚れは見られませんでした。ペラにも藤壺はおろか、海藻なども付着しておらず健康な状態でしたので、船底の状態はほぼイーブンと言って良いと思います。

さて、そんな感じでテスト航行、そしてその結果です。

まずスラスタを取り付けたことによる航行速度の低下はどれぐらいなのかを調べました。

メーカー曰く「10ktで0.1kt-0.3kt程度。水槽実験値ではフォールディングプロペラと同等以上の低抵抗を実現。トンネルスラスタよりも抵抗は低い」と言っています。ホントカヨ??という気がします。

注目の結果ですが・・・・

その前にひとつお願いが・・・・。

このテストはAdagio号でガーミンのGPSを用いて行い、エンジン回転もボルボ純正の100回転刻みのタコメーターで読み取っています。つまり計測誤差はあると思いますし、このスラスタの性能を担保するものでもありません。また、このスラスタを持ち上げる?つもりもなく、ただただ目の前で起こった事とAdagio迷走船長の感想を述べたものです。このテストは参考までにして頂き、「オレもやってみたけど全然結果が違うぞ」などのクレームはご容赦願います。

さて、結果発表です。

スラスタなしの場合、2400回転6.1kt~2800回転6.8ktというデータでした。

スラスタを取り付けたら・・・・・

うーむ・・・・発表してよいのか・・・・

発表するにも勇気がいるぞ・・・・

うーむうーむ・・・・・

計測誤差があるだろうし、船底清掃を行っているという状態の違いがあるのですが・・・

有意差が認められない

というのが正直な感想です。

え?うそでしょ?ディーラーから金もらってんじゃないの??と思われるかもしれませんが、ディーラーに金は払っても貰ってはいません。(爆)

最初は目を疑いましたが、2400回転から100回転ごとに数値を計測してき、結局最後まで取り付け前と同じデータなのですよ。ちょっと信じられません。書いている本人が何かテストに間違いあったのでは?と思うほどです。

また、マリーナに入り、いつものところでクラッチを切り惰性で走ると、行き足が無くなる場所も何時ものところでした。

抵抗らしい抵抗が(私の鈍感なセンサーだと)感じられないのです。

船底清掃が効いているのか?とも思いましたが、船を上げた感じだと非常に綺麗な状態だったので、それも違うような。。。。よしんばその影響だったとしても、一番水の綺麗な1月末に船底清掃をしたばかりで、2ヶ月しか経過していません。だから速力低下があったとしても、冬場2ヶ月の汚れ程度・・・とも言えます。

どちらにしてもかなり驚きました。

次に使用感。

当日は無風に近い状態だったので本番での威力はまだ判りませんが、、、恐ろしく便利です。

スラスタを取り付けた後の最初のバースの出し入れの時からして、車の車庫入れぐらいの感覚で全く緊張感がありません。バウが自在に振れるというのは、こんなに便利なものなのかを思い知りました。

また、アスタンでバースに入れ、スタンのロープを掛けている間にバウが流されてもボタン一つで戻ってきます。文句を言わないクルー?が一人出来た感じで、シングルハンドにとっては物凄い安心感です。

スラスタの推力は・・・・口では非常に難しいけど、バウを桟橋で押さえながらスラスタを回してみると、海に引っ張り込まれそうな感覚です。これだけの推力があれば、常識的な風の日なら何とでもなりそうな気配です。(これはまだ試してないので推測ですけど)

総評としては「人柱覚悟だったけど、天の恵みが降りてきた」って感じで満足感150%で御座います。

ps くれぐれも「参考程度に」読んでください。トップセイラーとかが乗ったら「ウワッ、こんなに抵抗感増えるの?」と言うかもしれないし、理系の計測系のお仕事の方が調査したら「明らかなる有意差があるじゃないさ」と言うかもしれません。あくまで迷走船長の感じたことでございます。(書いている本人が「いまだに信じられん」と思うほど速度低下が無かったので、何か間違いがあるんじゃないかと?ブログアップしてよいのか??と悩んでしまいました。)

~~~後日加筆~~~

風のある日に実地テストしました。こちら。

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コメント

・・・・速度低下なし、OO万円で、優秀な、文句の言わないデッキハンドが乗ってるようなもの。
欲しいですね。操作スイッチ廻りの写真も上げてください。
これで、いつでも出航が出来ますね。
先週、田中さんに、このことを話したら、・・・・頭が固いと言うか、古いと言うか、
乗り上げたら、どうする、脱落したら、沈没、・・・・邪道やと言われました。
便利なんだけどね。これしか選択肢が無いんですけど・・・・沈黙です。

K.Sさん、こんにちは。どうも有難う御座います。
操作スイッチはまだ仮設なので、本設したらまたアップ致しますね。

ところで乗り上げたら・・・の件ですが本当のところはどうだかは判らないでメーカーの説明を信じることにします。

 尚、脱落は考えなくても良いと思ってます。それを言い始めたら、シャフトブラケットもシャフトも何もかも危険になっちゃうので・・・・^_^;

尚、一応、バウの防水隔壁内に設置してるので、水漏れ起こったとしても即沈にはならないようには考慮は致しました。

おめでとうございます!
後出しジャンケンのようですが・・・私は、「やっぱりなあ~」 ってカンジです。
メーカーも一応、流体力学も応用してるだろうし
ヨットの、たかだか 5ktや10ktでは、ほとんど差は出ないんじゃないかと思ってました。
実際の水圧抵抗よりも、「出っぱりをくっつけて帆走っている」 という精神的な抵抗の方が大きいのでは・・・レーサーじゃない私はあまり気にしませんが (^-^;
邪道と言われたら・・・なんとも言えませんが、昔はジブファーラーも邪道と言われたもんです。

私は、次艇の条件として「メインファーラとスラスター付」 を考えていたのですが
おかげさまで、スラスターは後付でも大丈夫と確信しました。
ありがとうございました!
今後の展開も楽しみにしています。

コントローラーは・・・迷走船長のこと・・・ワイヤレスでも考えていらっしゃるのでは (^-^;


納得以上の性能、よかったですね!
実際に抵抗を感じるのは20~30kt以上にならないと感じないかもしれませんね。
ヨットの世界ではほとんど問題にならないかも、ですね。

車で言えばリアスポイラーと同じようなことですね。低速では抵抗、効果はほとんど無視していいのではないでしょうか。

抵抗の増加はスラスタに藤壺が付いた場合に問題になるかもしれません。
上架してある船を見るとスラスタやトリムタブあたりが集中して汚れています。
スラスタ=金属にどのような船底塗装をするか難しいところです。

とても参考になるのでいつも拝見させて頂いてます。
今回のスラスターは少々疑問に感じるので初めて投稿させて貰います。

気にされているスピードのロスが無いのは良かったですね。
ぶつかった時のダメージは? スラスター有っても無くても場合によってはダメージ有るんでしょうね。

一番気になる所は、このすらスラスターが船底の前のほうに釣り針の返しのように取り付いているところです。クルージングするヨットであればアンカリングも当然するでしょう。アンカリングのトラブルってけっこう多いですが、風が変わって向きが変わる時などロープがスラスターに引っかかり外れなく成りそうな気がするのですが。また定置網、のり網などにちょっと突っ込んだらアウトのような感じ。バックできない?

水を差すようですみません。

トツナン船長さん、こんにちは。
仰るとおり、現実の速度低下は殆どわからずでした。
「精神的な抵抗」・・・上手いこと仰いますね。笑。私もつけるまでそうだったかもです。
あとワイヤレスリモコン・・・いいですよね~~(#^.^#)


laputaさん、こんにちは。どうもありがとうございます。
laputaさんもお一つ・・・・!(^^)!


ニンニンさん、こんにちは。
藤壺付着の件、どうなるか楽しみ?です。
また経過報告致しますね。
船速低下もそうですが、スラスタペラへの藤壺攻撃が今から不安です。。


あまのじゃくさん、こんにちは。
ご指摘の部分、メーカーも考慮しているようで、オプションで後ろ側にロープなどが入り込まないようにする
ロープガードが売られているようです。
後から簡単に装着出来るので、問題あるようだったら装着しようと思ってます。
トンネルスラスタだとこの点回避できますので、装着スペースのとれる大型艇などはトンネルも魅力的ですね。
 今のところの対策としては、海苔網などの場合は水面下30センチなので目視できる場所ですので、ボートフックでロープを押し下げてバックすればいいかな?と考えておりました。

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