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2014年2月 4日 (火)

セイル補修

先日のクルーズで破いてしまったセイル・・・

P1040714
このセイルはファーリングメインなのですが、35ktの風に立たせ巻き取ろうとしたら重くて巻けない。普段は手で巻くのですが仕方なくウインチで巻くことに・・・その間時間が掛かりシバーして破れてしまいまいた。

P1040713

こんな感じです。

降ろして調べてみると、糸も生地もかなり痛んでました。
進水時からのセイルだと思うので正直なところ寿命も近いんでしょう・・・・
が、、、メインセイルは高い。

ということで修理することにしました。

何事も経験と思い、自分でトライしてみることにしましたが、やってみると難題山積でした。

問題点は数多く

  1. セイルの縫い目を見るとジグザグに縫ってる。何で縫ったんだろう???
  2. セイルの糸、とんでもなく太いぞ。一体何処で入手を・・・・
  3. 生地をパッチワークしたいけど、生地って何処で仕入れれば・・・??

とりあえず最大の関門はこの3つ。

色々と調べてみて初めて真相が判ったのですが、まず1のジグザグに縫う方法ですが、家庭用ミシンでもジグザグ縫いは出来るのですが、太い糸と厚い生地に対して機械が負けてかなりの困難を伴うと予想します。一般のアマチュアが入手できるハイパワーミシンは「職業用」という種類のものですが、これは直線縫いしか出来ません。では一体プロはどうやって・・・?と思ったら、やはりそういう専用のミシンが「工業用」として出ているようです。でも現実問題として工業用を家庭に持ち込むのは相当やっかいです。(少なくとも我が家では無理)

あとジグザグで縫う理由はテンションが掛かって伸びても糸には負担が掛からないためらしいです。

ということで、本来ならやっぱりセイルはセイル屋に頼むのが良し!と実感しました。

が、、、普通の直線縫いミシンで縫ったものが何処まで使えるのかも知りたいので、毎度のことながら人柱実験することにしました。笑。

次に2のセイルの糸ですが、これも工業用ミシンでしか縫えないような太い糸です。手縫いするならばマリンショップで補修用の糸を買えば良いので簡単です。が、、ミシンでやろうとすると・・・・職業用でも#20(20番)という糸が一般的にはマックスと言われていますが、セイル補修の手縫い糸から見ると#20なんてめちゃくちゃ細く見えるんですよね。(そうは言っても普通に見ると#20もかなり太いんですけどね)。だが#20だと強度的に無理なんじゃないかって気がして仕方が無い・・・・・。そこで、職業用ミシンに対しては無理なサイズなのを承知で#8糸と#21針を取り寄せて使ってみました。(尚、職業用ミシンは通常#18針が最大サイズなのですが、世の中には便利な針があるもので・・・DB×1針互換でDB-A20という#21針がオルガンから出ていました。)

最後に3の生地ですが、きっとセイル屋さんに頼めば分けてくれるでしょう。が、、、それもなぁ・・・。(修理も頼めよ!とセイル屋さんに暗黙のプレッシャー掛けられるし)

そこで、ヨット船具屋なら大抵置いてる「ダクロンテープ」というのを使ってみました。

P1040727

一度、セイルを水洗いし潮を抜き、その上にダクロンテープを貼り付けてみました。かなり強力な糊なので、なんかこれだけでも十分いけるかも・・・って雰囲気あります。

が、航行中に剥がれたら恐怖なので、やはり縫製しました。

P1040731

尚、一番良い方法は「セイル用糸を使ってハンドステッチャーにてジグザグ手縫い」なのは判ってるんですが、ミシンがけで通用するのかを知りたいので・・・あしからず。笑。

さて、一般用ミシンには常識では使わない「#21針+#8糸」というミシン屋が見たら卒倒するような組み合わせでサンブレラの端切れで試し縫いしたところ、思ったよりもいけます!

よし、ではセイルでやってみよう・・・

P1040728

こーんな感じになりました。何とか縫えます。が、糸調子が超シビアで、2枚重なったところなどは明らかにバランスが崩れ、縫ってる最中に微調整が必要。また糸の締りがやや微妙な感じです。パッと見は縫えているんですが・・・・。あと、針の穴が大きくなるので、古くなったセイルにしてみれば「切り取り線」のミシン目をつけているようなものかもしれません。

そこで、リーチ部分は太い糸で縫ったものの、他のほつれ防止部分は細い糸(といっても#20)に変更。

P1040729

こちらが糸#20+針#18の組み合わせ。上記と違ってサックサク縫えました。職業用ミシンでは常用はここまでが限度なのかもしれません。

あと、「ダクロンテープ」をミシンで縫ったわけですが、これもセオリーからするとNGなんです。両面テープや接着剤のついた布をミシンで縫うと針がベタベタになり最悪ミシンにも悪影響を与えると言います。でも80センチ程度のダクロンテープ外周を縫う分には大丈夫でした。ただし縫い終わった後、針はベタベタでこれ以上はやはり無理という雰囲気ありましたが・・・。

あとは風の強い日に使ってみてミシン目から裂けてバーストしないかテストしてみますが・・・・この不安感を考えるとやっぱりセイル屋に頼むのが間違いないなぁ・・と改めて思います。ドジャーやビミニやカバーといったものは壊れても笑い話で済むけど、セイルはなぁ・・・・ちょっと怖いですものね。

ということで、裂けて立ち往生しても温かい目でみてやってください・・・自爆。

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DIYと整備」カテゴリの記事

コメント

アダージョー様のミシン記事大変興味深々で拝見させていただいています。

自分のセールはセールロフトで修理してもらうのですが、可能な限り作業を見させてもらっています。
僕はレースで好評だけどとても値段のお高いセールで有名なところに修理をお願いするのですが(そのメーカーのセールだし、一番近いロフトだから、以前使っていた他社製のセールも修理はそこにお願いしていました。)、他と比べたことはないけど修理費用は意外とリーズナブルでした。
セールロフトでもやはり直線縫いミシンと、ジグザグミシンは使い分けていますね。やはり工業用では両方できるミシンはないということでしょうか?ジグザグ縫い(千鳥縫い)は家庭用では一台で直線と両方できるようようなのですが。。。

ロフトで教えてもらったのは『スティッチリッパー』がとても便利で100均で売っていることと、両面テープやダクロンテープを使う時はシリコンスプレーを針に吹きかけながらすると糊のべたべたが付かないということです。もし次回があればお試しあれ。。。
昔、銀色の3000番シートを買って端を折り返し3枚分を接着剤で糊を付けて縫ったら途中でミシンが悲鳴をあげました。。。何度も針をシンナーで拭きながら作業したことを思い出します。。。

ダクロンテープも多分ヨットの船具屋で売っているものは幅が75mm程度で長さが4~5m程度のものだと思いますが、ロフトでは1m幅くらいのダクロンテープをロールで持っています。たぶん0.5m単位程度で分けてくれると思いますよ。たしか1mで3500円程度だったと思います。
生地も破れたセールを見せずに非常用で積んでおきたいと言えばその場で暗黙のプレッシャーはなしで分けてくれると思いますよ。(笑)

外洋でまだ何日も帆走らないといけない時は何度か泣きながらパームとペンチを使って手縫いをしましたが、やはり、自分で応急的に修理したので、綺麗なミシン目には程遠い状態でした。。。

僕も工業用ミシンで直線とジグザグを揃え、オーニングやビミニトップやドジャーを縫いたいな~。。。でもミシン購入やメンテナンス、置き場所考えれば1度だけの製作ならロフトんい頼んだほうが安上がりなんでしょうね。。。でもフェンダーカバーとかステアリングカバーなどの小物はやはり手軽に自分で縫える環境がほしいです。。。

嫌なところが、裂けましたね、力が掛かる部分、出来ればセール屋で修理した方が、良いかもしれません
メインファーラーで今まで、故障したのは、ファーラーのシャフトが、根本の繋ぎ目で、折れたことです。
フルセールで、巻き取るのに、苦労しました、1時は、セールを降ろしてとか、考えましたが、時間は掛かりましたが、巻き取りました。
セールですが、裂けるのは、その周辺、相当、弱ってきてる証拠です、セール屋さんでは、大きなパッチを当ててて、補強すると思います、しかし補強しすぎると、巻き取り径が大きくなり、マスト内に収まるか・・
私も、UVカットクロスを入れるとき、悩みましたが、取り付けて、安心しました。
あのスリットから入る紫外線で、セールを痛める事から、解放されました。
但し、巻き取り時、セールを引き気味で巻き取らないと、巻き取り径が大きくなります。
出すときも、モーターの廻るのに合わせて、セールを引かないと

オーシャンセーラーさん、こんにいちは。
また、生地の入手先やロフトのTips情報を有難う御座いました。大変参考になりました。

>セールロフトでもやはり直線縫いミシンと、ジグザグミシンは使い分けていますね。やはり工業用では両方できるミシンはないということでしょうか?ジグザグ縫い(千鳥縫い)は家庭用では一台で直線と両方できるようようなのですが。。。


現実が物語っている部分だと思います。工業用で直線&ジグザグ可能のミシンもあるようですが、結局は一長一短があって(プロにとっては)満足出来ないんでしょうね。

実際にやってみての私の感想ですが、セイルの小さなほつれ程度ならばパッチをあてて直線縫いでも大丈夫な感じがしました。しかし、今回の私の補修のように力が掛かる部分が破れた場合は、素直にセイル屋に出した方が良い様な気がします。
その理由の一つに、そんな破れ方するのはそう何度もある訳じゃないので、その為に機材を揃えるのはコスト的に大変なこと。もう一つに、広大な作業場が無いと本格修理はキツイこと。更にはセイルの修理に関しては意外な程にリーズナブルなことでしょうか?

そんな訳で、目下の結論としてはオーシャンセイラーさんの仰るとおり

>僕も工業用ミシンで直線とジグザグを揃え、オーニングやビミニトップやドジャーを縫いたいな~。。。でもミシン購入やメンテナンス、置き場所考えれば1度だけの製作ならロフトんい頼んだほうが安上がりなんでしょうね。。。でもフェンダーカバーとかステアリングカバーなどの小物はやはり手軽に自分で縫える環境がほしいです。。。

と全く同意見です。

この1年、ミシンを色々やってみて感じたことですが、ビミニやドジャーなどを自作して楽しめれば良しと割り切ろうかと思っています。セイルに関しては今後は(軽いパッチ以外は)ロフトにお願いすることになりそうです。セイルは命乗せていることと、例えミシンがあっても広いロフトが無いと作業が進まない現実がありますので。

ただ、ビミニ・ドジャーやステアリングカバーなどはセイルとまた違った重要な要素があるのに気がつきました。それは耐UV性能。。。。。。。
想像以上に直射日光は布をボロボロにします。普通の洋裁店で入手できる「帆布」は3ヶ月もすると色が褪せてきちゃいました。
その点、トラックの荷台に使う「ターポリン」などは非常に耐久性高いみたいです。キャビン入り口にカーテン作りましたが、1年ほど屋外に出しっぱなしですが全く痛んでいません。しかしながら、糸のほうが段々と紫外線にやられてしまいますね・・・。

そこで耐UV糸が欲しくなるのですが、、、これが入手が難しいんですよね。同時に常に風に曝されるので強度も欲しい。そうすると最低でも#30番の糸。できれば#20糸を使いたいところです。
私はサンブレラ縫製専用糸で「リパーブ」という耐UV・耐防水加工施された#20糸を使っていますがなかなか良いです。見るからに頑丈な糸だし、1年以上屋外で使っても色が全く抜けてませんです。「木下資材」さんというところから通販で買ってます。

で、、この糸を使おうとすると最低#18の針が必要になります。(メーカー推奨は#19) そうすると家庭用ミシンですと規格外になり、どうしても職業用ミシンが必要になってきます。(職業用の最大太さは#18です)

また、ドジャーを作るとなると「サンブレラ4枚+ビニール窓1枚」とか「サンブレラ4枚+ナイロンテープ(幅広のヒモ)2枚」などの超厚物が登場してきます。家庭用を使ったことが無いので判りませんが、職業用でもギリギリという感じなので、家庭用には恐らく難物に感じます。


ということで、一つの結論としては

  ジグザグ縫いが必要なセイルのテンションが掛かる加工はプロに頼む
  ドジャー・ビミニトップは自分で作りたい
  見た目向上のジグザグ縫いや刺繍は不要
  風と直射日光に考慮した太く耐UV性の高い糸を使いたい
  サンブレラ4枚+ナイロンテープを貫通できるパワーが欲しい
  ヨットの中でも作業できる限界の重量であってほしい

以上を満たすものは、普通の職業用ミシンがベストかな?と感じてます。


ところで余談になりますが、オーシャンセイラーさんのブログ中に「溶接一式できるようになりたい」と書かれているのを拝見しました。
私も同じ夢持ってます。
許されるなら山の奥地でいいので激安土地をゲットし、トレーラーハウスでいいから作業小屋を作り、秘密の工場作りたいです。現在マンション暮らしなので一生夢で終わりそうな予感しますけど・・・・。


K.Sさん、こんにちは。
鋭いご指摘ありがとうございます。。。
仰るとおり、リーチ全体にダクロンテープを貼りたい衝動に駆られるほど結構痛んでました。別の部分が同様に破れたら、流石に寿命と諦めようかなとも・・・。

UVテープ貼りたいのですが、これもご指摘の通りスペースがギリギリで本当に大丈夫なのか心配なんですよね。

前回、3名での運行をしてみて思ったのですが、メインの出し入れに限らずタッキング・ジャイブなどにおいても、一人が引っ張り、一人が送り出す作業をすると物凄く速いし効率的と感じました。それを考えると、電動ウインチ(もしくは電動ハンドル)を一つだけ取り付け、クルーの代わりにしたら安全で速くなりそうだなと思うようになりました。

そこでお伺いしたいのですが、K.Sさんのマストで電動巻取りにされて不具合って出ましたでしょうか?どこか引っかかって重くなるとウインチの音とかで判るものでしょうか?その点がクリアされれば(予算の都合で暫く先になるけど)一つだけ電動ウインチ欲しいな・・・とかも考えてまして・・。

メインファーラーは電動です、引込ドラムの部分に、DCモーターが有って、ほぼ直結でファーラーを動かしています。
その途中に、ギヤボックスが有って、モーター側に、ドグクラッチが付いてます。もしモーターが故障した場合、クラッチを切って、ギヤボックスに専用のハンドルを取り付けて回せば、ファーラーが使用可能です、弱いところは、ギヤボックス上の、ファーラーの軸の接合部、軸方向に引っ張られ、尚
セールからも、横方向の力が掛かって、2年程度で、接合部の特殊なネジが折れてしまいます、そのネジは、SUSで、キャップボルトM11で、ピッチがインチ3/8だったと思います。
規格には有るのですが、実在しません。6本は注文して、1ヶ月待って、・・・1万円、高い
その後、緩み止め針金を通して、固定する、修理は簡単そうですが、
シャフト内に残った、折れたボルトを撤去するのが、一番苦労します。
これを、最初、修理依頼しましたが、出来ない、トラックレールを取り付けたら、要はスライダー仕様にしたらと言われたので、自分で分解して、修理しました。
2日も有れば、根気が有れば、簡単に修理できます、
電動ウインチ、便利ですが、余程、注意して使わないと、無理な力で、引き裂きます。
電動ウインチハンドルでも同じです、私のファーラーも、出し入れする時は、目を離せません。

K.Sさん、電動ウインチの使用感教えていただきまして有難う御座いました。
セイル引き裂くほどのパワーがあるんですね。。。すごいなぁ・・・。
ある意味余計に欲しくなりました。笑。

改めてウエストマリンのカタログ見てみたのですが、高いのは判ってましたが
想像を絶する高価さでした。これもすごいなぁ。。。。
ちょっと暫くは予算がどうにも・・・・・・・・・・(永遠にむりかも)

一方、ウインチハンドルは現実的な価格ですね。
来月ボートショーなので、もしかしたら現場交渉で安く入手できるかもと期待してます。

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