溶接に手をだしてみましたが・・・・
ずっとやってみたかった溶接に手を出してみました。
船で溶接が出来たらなぁ~~~。
というのは
プライベーターイジリーにとって一つの夢
だと思うので・・・・溶接の流れを簡単にご紹介させて頂きます。
実際に溶接機を購入したのは半年ぐらい前ですが、ブログネタにする気力にもならないほど「惨敗」の連続。むちゃくちゃ難しい。この半年、「新品の鉄素材がクズ鉄になる機械」という感じでした。
今回、船を買い替えて、どうしてもワンオフ作成しないといけないパーツが出てきて、事実上初めての本番になります。
LED作業灯をつけたいのですが、お気に入りのライトの台座が残念なことに鉄製なんですね。海では一瞬で錆び錆びになってしまう。
そこで
アルミのアングルをボルトナットで継ぎはぎして使ってましたが・・・見てくれが悪すぎなのが気になってました。
今回はこれをステンレスで作ってみよう。ということに。
さて、溶接ですが・・・想像以上に付帯工具・備品が必要でした。
まずは素材を切り出さないといけませんが、最初はサンダー(切断砥石)で切り出してましたが限界を感じます。ずっとバンドソーが欲しかったので、溶接機と一緒にゲットしちゃいました。
バンドソーは初めて使ったのですが、面白いように鉄材が綺麗に静かに清潔に切れます。サンダーと違い粉塵も出ないのでリビングで切ることが可能でした。
しかしステンレスを切ってみると・・・すぐに切れなくなりました。
写真にすると判りずらいですが・・・手前の部分の歯が全て欠けてました。専用の歯が必要なようで・・・・「バイメタル」「コバルトハイス」と呼ばれる歯を通販で発注。すると・・・
いや~全然違います。サックサクと鉄のように切れます。
ただ、そうは言ってもバリが若干でるので
グラインダーでバリを修正。
このグラインダー、溶接する時は必須です。溶接棒を削ったり活躍の場が大変広いです。
素材が出来たところで溶接機を用意。
こいつが溶接機です。直流フルデジタル200A・TIG溶接機です。いわゆる「アルゴン溶接機」と呼ばれるものです。
ステンレス溶接するなら「TIG溶接機」が主流になってるようです。
TIGは鉄・ステン・チタン・銅・真鍮とほとんどの金属で使用可能ですが、アルミだけはNGです。アルミやるなら「交流直流兼用TIG」が必要になってくるのですが、ヨットの場合100%ステンレスオンリーになると思い、直流TIGを入手しました。 なお、溶接機以外に
アルゴンガスが必要になってきます。
これら、すべてヤフーオークションとネット通販で仕入れました。便利な世の中になったものです・・・。
さて、溶接機を用意して、次に作業台の用意・・。
金属台にアースをつなげ、その上で作業をするのですが、一般家庭に金属台などある筈もなく・・・・。
そこでバーベキューの鉄板に取り外し可能な足くっつけ自作しました。
この作業台の上で
この鉄砲みたいな「トーチ」を使い溶接していきます。トーチの先には
タングステンの電極がついています。このタングステン電極は溶接の熱で溶けず、相手の母材だけを溶かすように出来ています。また、溶接中は大気中の酸素と結合し金属が真っ黒になってしまうので、ピンクの筒からアルゴンガスを出し、アルゴンの中で溶接を行う仕組みです。尚、アルゴンガスもネット通販で補充してもらます。
溶接のスタートはトーチについているこのボタンで行います。
あと、大切なことに目を守る遮光グラスが必要。
昔ながらの黒いメガネなどもありますが・・・・・私みたいな超初心者こそ、視界は重要。
ということで
一家に一つはあるヘルメット型の自動遮光面を使ってます。(って、家庭には普通無い無い)
これはピカッと光ると1/10000秒以内に黒くなってくれる優れもの。最初はこんなの必要かな?と思ったけど、TIGやるなら必須だと思いました。
ということで、TIG溶接やる時は、こういう超コスプレ野郎になるわけですね。はい。。。
(このまま外に出たら通報されそうだな・・・)
さて、用意が済んだらいよいよ溶接・・・・
まず、この板をくっつけますが・・・まず「点づけ」といって、一瞬溶接電流を流し、ピンポイントだけ溶かします。(これだけでもかなりの強度もって仮止めされます)
ただ、仮止めする際、希望の形にして仮止めしたら失敗するんです。
溶接すると必ずひずみが発生します。
たとえばこの2枚の板を90度の角度で溶接する場合・・・90度にして仮止めすると、仕上がりは85度とか、それぐらい反っちゃうんです。ですので、95度ぐらいに仮止めしておく必要が出てきます。だが熱のかかり方で反りの量も変わるので、正直なところ
成功する気がしない
と感じるのが本音・・・・。それぐらい難しく感じます。
で、、この後溶接中は写真撮影不可能なので・・・・
一気に出来上がり写真です。
ところで、今まで塗装・FRP・木工・電気といろいろDIYで手を出しましたが、溶接(&金工)は難易度がめちゃくちゃ高いと感じました。毎日練習すれば出来るようになるんでしょうが・・・・・やっぱり職人の世界だと感じます。
ま、そんな気は溶接機買う前から感じてはいましたし、最悪無理だと思った際に痛手が無いように中古オークションで機材揃えたのでまた売っちゃえばいいので、「溶接は職人の世界」と判っただけでも大きな収穫ではあったと思ってますが・・・苦笑。
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