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2016年5月14日 (土)

溶接に手をだしてみましたが・・・・

ずっとやってみたかった溶接に手を出してみました。

船で溶接が出来たらなぁ~~~。

というのは

プライベーターイジリーにとって一つの夢

だと思うので・・・・溶接の流れを簡単にご紹介させて頂きます。

実際に溶接機を購入したのは半年ぐらい前ですが、ブログネタにする気力にもならないほど「惨敗」の連続。むちゃくちゃ難しい。この半年、「新品の鉄素材がクズ鉄になる機械」という感じでした。

今回、船を買い替えて、どうしてもワンオフ作成しないといけないパーツが出てきて、事実上初めての本番になります。

P1080388
LED作業灯をつけたいのですが、お気に入りのライトの台座が残念なことに鉄製なんですね。海では一瞬で錆び錆びになってしまう。

そこで

P1080387
アルミのアングルをボルトナットで継ぎはぎして使ってましたが・・・見てくれが悪すぎなのが気になってました。
今回はこれをステンレスで作ってみよう。ということに。

P1080382
さて、溶接ですが・・・想像以上に付帯工具・備品が必要でした。
まずは素材を切り出さないといけませんが、最初はサンダー(切断砥石)で切り出してましたが限界を感じます。ずっとバンドソーが欲しかったので、溶接機と一緒にゲットしちゃいました。

バンドソーは初めて使ったのですが、面白いように鉄材が綺麗に静かに清潔に切れます。サンダーと違い粉塵も出ないのでリビングで切ることが可能でした。

しかしステンレスを切ってみると・・・すぐに切れなくなりました。

P1080391
写真にすると判りずらいですが・・・手前の部分の歯が全て欠けてました。専用の歯が必要なようで・・・・「バイメタル」「コバルトハイス」と呼ばれる歯を通販で発注。すると・・・

P1080385
いや~全然違います。サックサクと鉄のように切れます。
ただ、そうは言ってもバリが若干でるので

P1080411
グラインダーでバリを修正。
このグラインダー、溶接する時は必須です。溶接棒を削ったり活躍の場が大変広いです。

素材が出来たところで溶接機を用意。

P1080404
こいつが溶接機です。直流フルデジタル200A・TIG溶接機です。いわゆる「アルゴン溶接機」と呼ばれるものです。
ステンレス溶接するなら「TIG溶接機」が主流になってるようです。
TIGは鉄・ステン・チタン・銅・真鍮とほとんどの金属で使用可能ですが、アルミだけはNGです。アルミやるなら「交流直流兼用TIG」が必要になってくるのですが、ヨットの場合100%ステンレスオンリーになると思い、直流TIGを入手しました。 なお、溶接機以外に

P1080405
アルゴンガスが必要になってきます。
これら、すべてヤフーオークションとネット通販で仕入れました。便利な世の中になったものです・・・。

さて、溶接機を用意して、次に作業台の用意・・。

P1080392
金属台にアースをつなげ、その上で作業をするのですが、一般家庭に金属台などある筈もなく・・・・。
そこでバーベキューの鉄板に取り外し可能な足くっつけ自作しました。

この作業台の上で

P1080402
この鉄砲みたいな「トーチ」を使い溶接していきます。トーチの先には

P1080401
タングステンの電極がついています。このタングステン電極は溶接の熱で溶けず、相手の母材だけを溶かすように出来ています。また、溶接中は大気中の酸素と結合し金属が真っ黒になってしまうので、ピンクの筒からアルゴンガスを出し、アルゴンの中で溶接を行う仕組みです。尚、アルゴンガスもネット通販で補充してもらます。

P1080407

溶接のスタートはトーチについているこのボタンで行います。

あと、大切なことに目を守る遮光グラスが必要。

昔ながらの黒いメガネなどもありますが・・・・・私みたいな超初心者こそ、視界は重要。
ということで

P1080408
一家に一つはあるヘルメット型の自動遮光面を使ってます。(って、家庭には普通無い無い)
これはピカッと光ると1/10000秒以内に黒くなってくれる優れもの。最初はこんなの必要かな?と思ったけど、TIGやるなら必須だと思いました。

P1080410
ということで、TIG溶接やる時は、こういう超コスプレ野郎になるわけですね。はい。。。

(このまま外に出たら通報されそうだな・・・)

さて、用意が済んだらいよいよ溶接・・・・

P1080395
まず、この板をくっつけますが・・・まず「点づけ」といって、一瞬溶接電流を流し、ピンポイントだけ溶かします。(これだけでもかなりの強度もって仮止めされます)

ただ、仮止めする際、希望の形にして仮止めしたら失敗するんです。
溶接すると必ずひずみが発生します。
たとえばこの2枚の板を90度の角度で溶接する場合・・・90度にして仮止めすると、仕上がりは85度とか、それぐらい反っちゃうんです。ですので、95度ぐらいに仮止めしておく必要が出てきます。だが熱のかかり方で反りの量も変わるので、正直なところ
成功する気がしない
と感じるのが本音・・・・。それぐらい難しく感じます。

で、、この後溶接中は写真撮影不可能なので・・・・

P1080399
一気に出来上がり写真です。

ところで、今まで塗装・FRP・木工・電気といろいろDIYで手を出しましたが、溶接(&金工)は難易度がめちゃくちゃ高いと感じました。毎日練習すれば出来るようになるんでしょうが・・・・・やっぱり職人の世界だと感じます。
ま、そんな気は溶接機買う前から感じてはいましたし、最悪無理だと思った際に痛手が無いように中古オークションで機材揃えたのでまた売っちゃえばいいので、「溶接は職人の世界」と判っただけでも大きな収穫ではあったと思ってますが・・・苦笑。


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コメント

夢です夢です

師匠と呼ばせてください

今、バウのパルピットの前後の長さを伸ばしたいな~と思っているのですが。。。
揃えるならなるべく早く揃えないと、業者に依頼する分が積み重なっていくのはわかっているのですが、先立つものとトライする勇気とが合わさったものがありません。。。

しかし、しばらくブログをお休みされていたかと思ったら艇が変わってるわ、溶接を始めてるは驚きです。

『最悪無理だと思った際に痛手が無いように中古オークションで機材揃えたのでまた売っちゃえばいいので、、、』ということですが、その時は是非、”痛み分け”程度でお譲りください!(笑)

ちなみに機種は?

オーシャーセーラーさん、ご無沙汰しております。

オーシャンセーラーさんのような魔王レベルのイジリーの方に師匠だなんて、、恐れ多くて天罰が下りそうです 
大師匠様、勘弁してください。。。。


さてさて、バウパルピットの件・・・なるほどです。とってもそのお気持ち判ります。
そうなんですよねぇ~~~~。とっとと買っちゃった方が結局は安く済む。その気持ち判ります。

さて私の方はもう少し悪あがきして練習します。
でもいよいよの時には匙を投げるかもです・・・・
その節は・・・。笑。でもまあ、もう少し悪あがきしてみます。

ちなみに「新ダイワ STW201DW」という、プライベーターでは定番になってる機種です。
専門職にはダイヘン・パナソニックあたりが定番中の定番のようなんですが、「船で仮付けだけでもしたい」という目的があると、どうしても100/200v兼用機じゃないと難しくなりまして・・・その条件でフルデジタルTIGというと、事実上この機種だけになるようです。

尚、半年ほど試してみたところ、SUS304同志の溶接だと、材料が3mm厚以上あれば少し練習すれば難しくは無いと感じました。(但し、歪みとの戦いは超難しいので寸法を出すのが本当に大変・・・・。)
一方、船のパルピットなどに代表されるSUS304の25mmパイプ(肉厚1.5t)はメチャクチャ難易度高いです。まずパイプ全周溶接ってのが溶接の中でも上級ランクに位置し、そのうえ1.5tという薄さだと、あっというまに熱で穴が開いちゃいます。(本職がいうには極薄とは1mm以下だとのことですが、素人には1.5は極薄に感じます)
当初、船のパルピットを細工したり・・・そういうこと考えていましたが、とてもじゃないけど怖くって(パルピットそのものを滅失しそうで)今現在ではやる気も起きません。
レーダーアーチとかが30万円ぐらいするのが納得です。というか、職人の技術を考えるとむしろ安い?とも感じるようにも・・・・・。

師匠!ありがとうございます。

型番で調べてみると”貧乏”なプライベーターイジリーにとっては一ケタ相場が違いました

しかも、師匠のお言葉ではパイプ溶接は難しいとのこと

プライベーターイジリーは『やりたいときにやりたいようにやる!』というのが一番なのですがとりあえずパルピットは業者さんに任せます。。。

廃船から取り外してきた練習用のパルピットはキープしているんですけどね〰。。。

師匠っての勘弁してください・・・  大師匠様


さてさて・・・パイプ溶接は今のところ出来る気がしないっす。
TIGの難しさって、電極を母材から2-3mm浮かしてアーク放電を飛ばすところにあるんですよ。このあたり、塗装に似てまして、スプレーガンが近ければ垂れるし、遠ければブツやザラになる。ガンの移動速度も同様ですよね。それと全く同じような感じで「トーチが(電極が)近ければピンポイントが溶けるけど溶け落ちもまた早い。遠いとアークが散って上手く行かない。溶接速度も同様」って感じなんですね。
スプレーガンとトーチで違うのがその距離のシビアさです。
電極と母材の距離が1mmぐらいだと溶接棒を溶かし入れたときに電極と母材がくっついてアークが止まっちゃうし、5mmも離すとアークが散っちゃって上手く行かない。スイートスポットは2mm前後しかないんですよね。また、トーチの角度も重要です。(これもガンに似てます)
それを分厚い皮手袋しながら、太い電線に結ばれたトーチを常に母材から2-3mm浮かし、早すぎず遅すぎずの速度で溶かしながら、反対の手では半田付けのような「溶接棒」をチョンチョンと必要量溶かしこんでいく・・・という感じなんです。
ですので、街中にある溶接構造物を目にし、綺麗な溶接ビートが延々続いてるのを見ると感動を覚える今日この頃です。笑。
 さて、当然のことですが、パイプは円形です。
でもトーチの角度と距離は常に一定の必要がある。
360度に渡って一定の角度と一定の距離を保たないといけない・・・・・。
とすると、既存のパルピットの海側とかはとんでもない体勢を強いられつつ、手先は2mm程度のブレの中に収めることを要求される。
また風が入るとアルゴンガスが飛ぶので基本屋外でのTIG作業は出来ない・・・・・。
(ブルーシートなどで防風処理しないといけない)
と、まあ、こんな感じなんです。
結構な練習が必要だ・・・と手を出してみて痛感しております。

師匠!(笑)
ありがとうございます!

本やネットで溶接のことを色々調べているのですが、正直小難しかったのですが、感覚的なことなどが師匠のおかげで色々と理解できてきました!

どうやら知人がスズキッドの簡易な溶接機をゲットしたらしいので体験程度はできそうです。

また挑戦するときには、お知恵を拝借するか、我がブログでも状況をアップできればと思います。

TIG溶接ですか!本格的ですね!!

私はいつもホームセンターで買ってきた家庭用100Vの溶接機で溶接棒を振り回してました・・・が、
保管していた場所に水が入ってしまい、壊れたので、スズキッドの100V半自動溶接機に買い替えたところです。
http://www.suzukid.co.jp/product/say80l2.html
これはあまり分厚い板は溶接できません。

むかーし学生時代に工学部だったので、実験装置を作るのにアーク溶接は良くやっていましたが、改めてやると、なかなか綺麗にはできなくて四苦八苦してます。

私も安いのを買いましたが、自動遮光の面は楽で良いですよねぇ~♪

dolphinさん、有難う御座います。

スズキッドの半自動も欲しかったりしました。
TIGは時間かかる上、屋外だときつかったりするので半自動もいいなぁと。
(こうやって部屋が狭くなっていく、、、、。笑)

溶接機に手を出すとは、TIGは私も欲しいのですが、なかなか難しいのと、ボンベの充填期間、ボンベの保証金の問題で、悩んでます。
なんちゃってオーシャンセーラーさんのブログをたまたま拝見させていただきました、関西方面ですね
それとやってることが、プロ顔負けです。脱帽です。自分のやってることが、小さく見えてきました。
これからも、よろしくお願いします。
今年の補修予定は、木部のニス塗りを少なくする、木部を減らす、オーナーチェアーも樹脂に替えます、
GW前は、清水ラインのホースの入替、手の出しにくいところが、破裂して水漏れ・・・・
タンクに水道圧で給水すると、タンクは膨張し、ベンチを持ち上げ、洗面所へのエアー抜き配管も
継ぎ手部分が抜けたりして、漏水します。給水は、デッキの給水口から、ホースで入れるに限ります
、ホース交換のおまけが、メインファーラーの、リレーボックスを取り外して、海へ落としてしまう、
誰に尋ねても、リレーの規格を教えて貰えませんでした、Hood japanの技術者も不明との連絡・・・
ならば、マストのモーターの名盤を見れば・・・・ご丁寧に付いてません。はがされてるのか?
なんと、不親切な、制御板を作る会社の相談しても、モーターの規格が解らないと・・・・
仕方ないので、直流の一番大きなDC24動作の65A電磁開閉器で、メインリレーは30Aに制限して
動作したところ、風を受けて、20A程で動いています。
当方のオーパイは、もう潰れた会社の、NECOです、説明書も無ければ、使いながら馴れたオーパイです
但し、油圧動作です、クルージング中、ほとんど、ラットは触りません、出航・着岸時のみラットを触ります
ほとんど、故障知らずです。
又、更新楽しみしてます。

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