ラダーアームが到着し、船に取り付けてみました。
その他の部分は事前に凡そ取り付けが終わっていたのでほぼボルトオンで終了。
一部細かな造作がまだ終わってないのですが、、、、待ちきれずにまずはテスト航行を。
テスト航行の前にオーパイの初期セッティングを行わなければなりません。
ですが、これはそう難しいことありませんでした。
SIMRADの場合、大まかな流れは「ドックサイド」というメニューを行えば初期セッティングが完了するようになっていました。その中身を簡単にいうと
- ボートタイプを設定する(SailBoatを選択)
- 最大舵角とニュートラル位置をオーパイに設定する
- ラダーセンサーフィードバックテストというのを実行する。すると最適なオーパイモーター速度などを自動設定してくれる
- 自動感度切替の速度閾値を登録する(巡航の半分とのことで3ktに設定)
事前の設定はこれだけでした。
あとは海に出て「オートマチックチューニング」という機能を実行すると、3分ほどスラロームをしながら最適なラダー感度などを合わせてくれました。
それと、方位センサーに磁気コンパスセンサーを使用する場合は、シートライアルにてコンパスキャリブレーションを行うように説明書に書いてありましたが、今回はNMEA2000経由でサテライトコンパスのデータを入力しているため、この辺りは一切不要でした。
さて、海に出てみます。
が、、、出た瞬間、夕立土砂降り。
でもまあ、涼しくて丁度良いということにしてテスト開始。
まず「オートマチックチューニング」なるものをスタート。
こんな感じの画面が出て、船は2~3分の間勝手にスラロームを繰り返します。これにより最適パラメータを勝手に探り出してくれるようです。尚、この機能はRaymarineのSPXシリーズ以上も搭載されていましたので、今後はこれが主流になるのでしょうね。
さて、初期設定が終わり、いよいよオーパイをオンにしてみました。
オーパイ「AUTO」ボタンをポチっとな!
するとラダークラッチが音もなく繋がりティラーハンドルが自動で動きます。今まで使っていたティラーパイロットST1000に比較するとほぼ無音で動作しています。また、ST1000に比較してあて舵の量が非常に少なく感じます。最初、「壊れてるのか??動作してないのでは????」と不安になったのですが、よくよく見ると絶妙な量の舵を入れてくれています。結果としては殆どオーパイが動いていないように見えているだけでした。
コレハスゴイ・・・・。
本日のテスト航行の感想を先に申し上げれば、「今まで使用したオーパイの中では圧倒的な安定感」を感じました。本日は機走だけなので追い風などの厳しい環境ではわかりませんが・・・本日に限って言うと、兎に角余計な舵が入らず、かなりの上級者が操船しているような印象を受けるほどに安定しています。これは多分、サテライトコンパスの方位データを元に動作させているのも大きいのでは?とも感じます。Raymarineはこれが出来なく、SIMRADをチョイスした大きな理由でもありましたので、期待以上だったので嬉しい限りです。
さて、次のテストとして、風向風速データとのリンクを確認。
ウインドベーンモードというのですが、設定した風向にあわせて舵を切ってくれる機能です。セイルアップの時は重宝しそうです。

ウインドベーンモードをスタートするとこの通り。。。
実に安定して正面から風を受けるように動作してくれてホッとしました。
この機能はRaymarineSPXシリーズにもついてまして、同社オーパイSPX5とST60Windの組み合わせで大変有効に利用できた経験ありました。それと比べて同等の安定度という感じです。但し今回はフルノ風向風速計とSIMRADオーパイの他社組み合わせだったので、ちゃんと動くか心配だったポイントでもありましたが無事にクリアです。
続いてナビゲーションモード(トラックモード・ルートモードと呼ばれる機能)のチェックを。
尚、この機能はフルノナブネットとレイマリンSPX5での接続ではエラーが出て使用できなかったですので興味津々です。
どの程度のルートキープできるかを見たかったので、横波・横風になるようにルートを作り、低速(3kt弱)で走ってみました。
するとこんな感じ。GPSルートのほぼ真上を頑張ってキープしてくれました。これに関しては人間が舵を切るよりも明らかに精度が上という感じを受けました。
ルート上の変針点(ウエイポイント)に差し掛かると、オーパイからブザーが鳴り「次のポイントへ向けて変針していいか?」と聞いてきますので、OKボタンを押すと針路変更が始まります。 この確認作業があるのでルート完全自動航行は無理ですが、事実上はほぼ完全自動航行ですね。
最後に「ノードリフトモード」というSIMRADの目玉機能をテストしてみました。
これは、潮流や風などがあっても、オーパイオンにした時点での針路ベクトルをキープする機能です。普通のオーパイは「ヘッディング」をキープする訳ですが、ノードリフトモードは「針路(ベクトル)」をキープするのが大きな違いです。
内部アルゴリズムがイマイチ判らないので、今回はさわり程度しか判らなかったのですが・・・・・それでもこの機能を試してみて「腰を抜かすほど」驚きました。
これも横波・横風の中で低速で走ってテストしてみたのですが、ノードリフトモードをスタートすると徐々にフネのヘッディングが風上に向かっていきます。目的地とは全く別の方向(風上)に向かっているかのように不安になるのですが、驚く事に見えない一本の線の上を確かに走っているのです。車で言えば「カニ走り」の状態?スキーでいえば「横滑り」の状態??できちんと一本の線の上を走っていきます。
人間様が自分で舵を持つと、ここまでのドリフト状態(風上に30度以上頭を振っている)をキープして目的地にまっすぐ走るのは不可能に近い気がしました。
コレハスゴイ、、、。。。。。
とりあえず本日はここで時間切れでテスト終了。
あくまで機走だけのテストではありましたが、想像以上、期待以上の動作をしてくれました。
今回は一歩間違えれば人柱玉砕覚悟の選択だったので正直大変に嬉しい限りです。
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